不正転売で偽物届くトラブルも 宇都宮ブレックスの試合チケット争奪戦過熱 人気沸騰影響 チームなど注意呼びかけ

ブレックスの応援で盛り上がる大勢のファンたち=2日午後4時55分、宇都宮市元今泉5丁目

 プロバスケットボールB1の宇都宮ブレックスの試合チケットが入手困難な状況になっている。バスケットボールブームによる“人気沸騰”で、ホームゲームはほぼ満席。開幕から20試合の平均入場者数は4694人で、昨季の平均入場者数を約530人上回る。リーグ全体の入場者数も増加。ファンからは「もう少し取りやすくなってほしい」との声が漏れる。チケットが不正転売されるケースもあり、ブレックスやBリーグは正規ルートで購入するよう呼びかけている。

 2日午後、栃木県宇都宮市のブレックスアリーナ宇都宮(市体育館)。会場前には黄色のユニホームやチームのロゴ入りの帽子、選手の顔写真の缶バッジなどを身に着けた大勢のファンが列を作った。笑顔を見せながら、吸い込まれるように続々と会場入り。この日の試合も満席だった。

 Bリーグ発足時からのファンという会社員女性(45)は、ファンクラブ会員向けの先行販売でチケットを入手。「最近は販売開始時間ぴったりにサイトにアクセスしないと取れない」と話し、人気ぶりを肌で感じている。子どもと観戦に来た下野市、40代会社員女性は「人が集まるのはいいことだけど、もう少しチケットが取りやすくなるとうれしい」と本音を口にした。

 運営会社「栃木ブレックス」でチケット販売などを担当する今井英二郎(いまいえいじろう)さん(45)は「男子日本代表が昨年、ワールドカップで活躍したことや会社として積極的なPR活動を行ったことが影響している。昨シーズンに比べ全然違う。例年よりもチケットは取りづらい」と明かす。

 Bリーグは公式リセールサービス以外で営利目的の転売を禁止している。しかし、交流サイト(SNS)などで不正転売やトラブルが起きているという。

 ブレックス戦でも昨年12月、トラブルが相次いだ。転売で得たチケットで客が入場しようとし、「入場済み」などのエラー表示が出て入れないケースが2、3件あった。SNSで定価の2〜3倍でチケットが売られている例もあったという。

 Bリーグは「代金を支払ったがチケットが届かない」「偽物が届き、入場できなかった」などの被害事例をホームページで紹介。ブレックスもSNSで注意を促す。Bリーグは「転売されたチケットの有効性は保証されない。正規ルートで購入してほしい」と訴えている。

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