青森ワッツ B2資格不交付も 債務超過解消なければ 融資・寄付募り資金調達 筆頭株主破綻受け会見

会見で今後の方針について説明する藤永会長(左)と北谷社長=2日午後、マエダアリーナ

 プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の青森ワッツを運営する青森スポーツクリエイション(ASC)は2日、同社の筆頭株主が経営破綻したことを受け、青森市内で会見を開き経営状況を説明した。ASC社によると、同社は昨年度末時点で約3800万円の債務超過に陥っており、今期(2023年7月~24年6月)の運転資金などとして約5千万円が必要だという。今期中に債務超過などが解消されなければ来シーズンのB2ライセンスが交付されず、資金繰りに行き詰まれば今期でチームが消滅する可能性もあるという。融資や寄付などを募って資金調達を急ぐ考えを示し、協力を呼びかけた。

 ASC社を巡っては、昨年7月に約9割の株を取得し、筆頭株主として経営に参画していた「ANEW Holdings」(本社・東京)が2月22日付で、東京地裁から破産手続き開始決定を受けていた。

 会見には、ASC社の藤永裕二代表取締役会長(ANEW社出身)、北谷稔行代表取締役社長が出席。藤永会長は、今期は黒字決算の見通しだが、コロナ禍などの影響で昨期まで赤字決算が続いていたことを説明。債務超過を今期中に解消し、来シーズンを含めた資金繰りの安定化が証明されない場合は、今シーズンのB2ライセンス取り消しや来シーズンの不交付の可能性がある-とした。

 公式戦を安定的に運営するため、リーグの融資を受けて今シーズンを乗り切る手もある。ただ、融資を受けた場合は「制裁」として勝利数5が没収されるため、チームが目指すプレーオフ進出が難しくなる。藤永会長は「自力で立て直しを図る」と述べた。

 ASC社が増資や金融機関から融資を受けるには、ANEW社が所有するASC社の株を第三者に譲渡することが必要。藤永会長は「譲渡を可能にするため、(ANEW社の)破産管財人と調整し、早急に株主を変更する必要がある」と説明。その上で、増資以外の方法として「売り上げ増や(企業などからの)融資、寄付を募る。協力をお願いしたい」と話した。ANEW社の破綻については「寝耳に水だった」と述べた。

 来シーズンのライセンス交付については、4月までに開かれるリーグ理事会で議論される予定。北谷社長は経営問題を謝罪し「信頼を取り戻したい。青森県にワッツは絶対に必要。多くの方にもっともっと夢を与えたい。あらゆる方法で道を探っている」と涙ながらに支援を訴えた。

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