磯村勇斗、『月』で助演男優賞「どう届くか、怖さもあった」

1976年より続く歴史ある映画イベント『おおさかシネマフェスティバル』。3月3日、ホテル「エルセラーン大阪」(大阪市北区)にて授賞式がおこなわれ、磯村勇斗が石井裕也監督の『月』で助演男優賞を受賞した。

『おおさかシネマフェスティバル 2024』で助演男優賞を受賞した磯村勇斗(3月3日・大阪市内)

その前年に話題となった作品が選出され、関西の映画好きにとっては総決算ともいえる同イベント。磯村は実際に起きた殺傷事件をモデルにした作品『月』で、物語で重要な役割を担う「さとくん」役を演じた。同作は石井監督も監督賞を受賞しており、2冠を獲得したことになる。

2023年は同作にくわえ『波紋』『正欲』『最後まで行く』など多くの映画作品に出演した磯村。総合司会をつとめる浜村淳が、出演作のひとつ『渇水』に「面白い映画でしたね」とコメントすると、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。

『おおさかシネマフェスティバル 2024』で浜村淳と話をする磯村勇斗(3月3日・大阪市内)

受賞に際し、磯村は「大阪には舞台挨拶などで訪れることはありましたが、授賞式でまた大阪に来れたこと、また助演男優賞を受賞できたこともうれしく思います」とコメント。

さらに、「『月』という作品は非常に難解で社会的な部分も強い作品だったので、作っている最中はどういう風に届くのかなという怖さもありました。このような形で、みなさんの心なのか脳内なのかはわからないですが・・・。届いているのだな、と実感しております」と感謝を述べた。

ほかには、主演男優賞に『エゴイスト』の鈴木亮平、主演女優賞には『愛にイナズマ』の松岡茉優、助演女優賞に『高野豆腐店の春』の中村久美がそれぞれ受賞した。

取材・文/つちだ四郎

© 株式会社京阪神エルマガジン社