J1で19年ぶり開幕連勝なし 昨季王者ヴィッセル神戸のDF酒井高徳「慢心なかった。ほんとに難しいリーグ」

ホーム開幕戦で柏レイソルに敗れ、肩を落とす酒井高徳(右から3人目)らヴィッセル神戸イレブン=2日午後、神戸市兵庫区、ノエビアスタジアム神戸

 明治安田J1リーグの第2節終了時点で、開幕連勝したチームがないという19年ぶりの珍事が起きた。昨季の上位陣が敗れる番狂わせが相次ぎ、今季の混戦を予感させる序盤戦に。昨季王者のヴィッセル神戸は2日、ホームで昨季17位の柏レイソルに0-1で敗れ、元日本代表DF酒井高徳は「研究してくる相手のその上をいかないといけない。ほんとに、つくづく難しいリーグだなと感じる」と実感を込めた。

 神戸は前線からかけた強いプレスを柏にかわされ、FW大迫勇也にボールが収まらず歯車が狂うと、後半38分に速攻から先制点を許して敗れた。昨季2位の横浜F・マリノスも0-1でアビスパ福岡に敗れ、昨季6位の名古屋グランパスは0-1でJ1初昇格のFC町田ゼルビアに屈し、初勝利を献上。富士フイルム・スーパーカップを制した川崎フロンターレも4-5で2季ぶりJ1昇格のジュビロ磐田に屈した。

 こうした春の珍事にも、百戦錬磨の男は動じていない。ドイツで8季プレーした後、神戸で6季目を迎えた酒井は、敗因について「(王者としての)慢心があったわけではない。相手が警戒し、研究してくる中で、ベースとなる去年以上のことをやらなきゃいけない。そこを怠ってしまった」と言う。さらに「やっぱり隙を見せ、90分を通して(自分たちの)サッカーができなかったらやられてしまうという、ほんとに拮抗(きっこう)したリーグになってきている」と分析する。

 一方で「世界的に見ても(波乱は)当然のことのようにある。どの相手でも、そう簡単に自分たちの思い通りに勝たせてくれないということは、選手個人個人が心にしっかり持ってやらないといけない」と語った。 (井川朋宏)

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