2023年に鹿児島県内の民間空港に米軍機が着陸した回数は4空港計201回(前年比90回増)に上り、過去10年間で最も多く、都道府県別で3年連続最多だったことが国土交通省航空局のまとめで分かった。米空軍CV22オスプレイ墜落事故が発生した影響で屋久島が全国最多の72回(前年比72回増)、奄美は67回(同17回増)で3番目に多かった。
着陸した機種や目的について、同局は「米軍の運用で答える立場にない」としている。
オスプレイの墜落事故は昨年11月29日に発生した。岩国基地(山口)から嘉手納基地(沖縄)に向かう途中、鹿児島県・屋久島沖で墜落。米軍は全搭乗者8人の死亡を認定した。屋久島空港では連日、捜索に関わる人や機材を運ぶ米軍機が離着陸を繰り返した。
県港湾空港課によると、墜落した29日から12月末までに、米軍機の着陸は屋久島72回、種子島39回、奄美16回の3空港で計127回(輸送機78回、ヘリ39回、オスプレイ10回)に上った。
23年に米軍機が着陸したのは全国89空港のうち22空港で計453回(同111回増)で過去10年で最多。多い順に屋久島72回、熊本69回(同13回増)、奄美67回、名古屋51回(同17回増)、種子島50回(同1回増)、福岡43回(同17回減)と続いた。徳之島は前年のゼロから12回に増えた。与論は前年12回からゼロとなった。
都道府県別は鹿児島、熊本、愛知の順。鹿児島県内の着陸が全体の4割超を占め、九州・沖縄が346回で7割を超えた。鹿児島の割合はこの5年で増え続けている。
米軍は有事の際、南西諸島に部隊を分散させて拠点を置く態勢づくりを進めている。民間空港・港を巡っては、日米間で自衛隊や米軍の利用を拡大する方針を確認。政府は鹿児島、徳之島空港などを整備・機能拡充の候補地として検討している。