「神龍」巡って印集めて 真岡、芳賀の3神社が連携企画 文化財の建造物にも注目を

「神龍めぐり」の参拝を呼びかける長沼八幡宮の野澤宮司

 社殿に彫刻があるなど竜にちなむ栃木県内2市町の三つの神社が連携し、巡拝企画「芳賀路巡礼 神龍めぐり」を行っている。人気の御朱印巡りに絡めた企画で、特製の色紙に神社印と宝珠印を押して巡る内容。今年の干支(えと)「辰(たつ)」を通じて、文化財にもなっている各神社の建造物の価値や維持管理にも関心を持ってもらうのが狙いだ。

 真岡市長沼の長沼八幡宮(はちまんぐう)と、東郷の大前(おおさき)神社、芳賀町祖母井(うばがい)の祖母井神社が手を携えた。

 大前神社の拝殿は国の重要文化財、祖母井神社の本殿は県の文化財、長沼八幡宮の拝殿は市の文化財に指定されている。それぞれ技術的に特徴がある竜の彫刻が施されていたり、神社の神使として飛竜を掲げたりしている。

 色紙には、各神社の竜の彫刻をデザインしたイラストが描かれている。三つの神社の「神龍」をそれぞれ「双龍」「翔龍」「炎龍」と名付け、竜が握っている玉「宝珠」の印と、各神社印を参拝者が色紙に押すと完成する。

 昇り竜の縁起の良さと御朱印巡りに絡めた企画だが、多くの人に各神社の建物や文化財を知り、長く守っていくことの大切さに関心を寄せてもらうことも趣旨としている。

 長沼八幡宮の野澤功嗣(のざわよしつぐ)宮司(51)は「印を集めながら、昔の匠(たくみ)の技や込められた願いを知り、伝統に思いをはせてほしい」と話す。

 初穂料として色紙が1500円、各神社の押印に500円かかる。(問)大前神社0285.82.2509。

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