津波被害球場で卒団式 学童野球・能登イーグルス

練習場所だった球場での卒団式で樋下監督から記念品を受け取る南山君(中央)=能登町内浦野球場

 能登町の学童野球チーム「能登イーグルス」の卒団式が3日、同町内浦野球場で行われた。活動拠点だった野球場は津波で防球ネットが流され、グラウンドは泥とがれきに覆われたまま。練習場所が確保できないため、チームとしての活動再開のめどは立っていない。卒団生の中には道具を失った子もいるが、いずれも野球を続ける予定で「また一緒にグラウンドに立ってプレーしたい」と誓った。

 地震後に選手や指導者が集まるのは初めて。卒団式(北國新聞社後援)には6年生8人のうち、7人が出席。それぞれ能登町と穴水町の自宅、避難所から駆け付けた。

 記念品を受け取ってあいさつした前主将の南山丈(じょう)君(小木小6年)は「正月休みが明ければ練習できると思っていたが、津波で悲しい思いをした。中学でもぜひ続けたい」と再びボールを追い掛ける日が来ることを待ち望んだ。

 樋下健一監督は「勝っても負けても一生懸命にやっとった。野球はまたできるようになる。その時は思い切って頑張ってほしい」と励ました。

 チームには4月に5人が新たに加入し、9人で活動する予定だったが、練習場所がないことから当面休止するという。

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