被災通じて地域に愛着 氷見、伏木高卒業式

答辞を述べる午房さん=氷見高

 能登半島地震で一時避難所となっていた氷見高と伏木高で1日、卒業式が行われた。

 氷見高では、234人が新たな一歩を踏み出し、卒業生代表の午房愛彩さんは「被災経験を通して地域の方々の温かさを知り、より愛着が湧いた。将来は氷見市に貢献できる人材になりたい」と力を込めた。

 同校は地震発生後、津波を恐れた市民が大勢避難し、一時約1千人が身を寄せた。在校生代表の重吉蓮音さんは送辞で「地震後もひた向きに支援や受験勉強に励む姿に『なんて強いんだろう』と胸を打たれた。先輩たちの強さが復興への兆しのように感じた」と述べた。

 伏木高では、3年生107人が卒業し、卒業生代表の高田響楓さんは「地震の爪痕が残る中、配慮いただいた」と述べ、学校行事などの思い出を振り返った。生徒会長の村田奈織さん(2年)は送辞で、地震復興に取り組む決意を示し、「学校で培った忍耐と思いやりの心を持ち、仲間と困難を乗り越えていく」と力を込めた。

 伏木高は卒業式会場の体育館が一時避難所となっていた。天板の破損などの被害があり、式は別会場で行う可能性もあったが、仮復旧が間に合った。

© 株式会社北國新聞社