●能登のサポーター熱く
3日に金沢ゴーゴーカレースタジアムで行われたツエーゲン金沢のホーム開幕戦には、地震の被災地である能登からもサポーターが集まり、吹き付ける雪を溶かすような熱い声援を新スタジアムに響かせた。愛媛から駆けつけたFC今治サポーターも「がんばろう能登」の横断幕を掲げ、スタンドには、勝利を願う声援と同時に、「サッカーの力」で復興を願う思いがあふれた。
新スタジアムは試合開始の1時間以上前からサポーターでにぎわい、ツエーゲン金沢のユニホームや赤いタオル、かっぱを身に着けた老若男女がスタンドから選手を鼓舞した。
珠洲市の会社員堺美津子さん(43)は長女胡春さん(17)と観戦した。断水が続き、洗濯や入浴のため毎週末、金沢市内の姉のアパートに通う。初勝利はお預けとなったが「ツエーゲンの活躍が元気につながる。また必ずスタジアムに来ます」と笑顔だった。
中能登町から訪れた会社員相川隆志さん(51)は「復興作業が続く中で、今はツエーゲンが唯一の心のよりどころ」と次戦の勝利を期待した。津幡町の男性(65)は「これから順位を上げていくことが能登への励ましになる。ホームではもう負けないでほしい」と話した。
FC今治のサポーターは試合前、「がんばろう能登!ここに集う日常が戻るまで」と書かれた横断幕を掲げた。発案した愛媛県の会社員土肥映子さん(59)は「同じサッカーファンとしてエールを送りたかった」と語った。
ツエーゲンは20チーム中19位に落ちたものの、全38試合のうちまだ2試合を終えたところ。サポーター歴10年の会社員藤田元春さん(26)=金沢市森山2丁目=は「シーズンは始まったばかり。負けている時こそ選手を信じ、昇格に向けて応援し続けたい」と巻き返しを願った。
●「あみ~ゴ」鈴木亜美さん熱唱
試合前とハーフタイムには、歌手の鈴木亜美さんがデビュー25周年にちなみ背番号25のユニホームでピッチに登場し、観衆を盛り上げた。代表曲「BE TOGETHER」、デビュー曲「love the island」を披露し、スタンドからは愛称「あみ~ゴ」と叫ぶ声が上がった。