小学校のタイムカプセル開封したら…「1週間の乾燥必要」 大切な思い出と再会、友人と笑顔

一部損傷が激しく、本人にしか分からないものも。当時の思い出を振り返りながら自分の作文を探した=平荘小学校

 今年3月で閉校する平荘小学校(兵庫県加古川市平荘町山角)で、34年前の児童が埋めたタイムカプセルが掘り起こされた。来年度から義務教育学校「両荘みらい学園」に統合されるのを前に、40代の大人になった当時の児童らが思い立った。保存状態は良くなかったが、級友が集まり作業を進め、本人への返却を進めている。(児玉芙友)

 タイムカプセルは1990年10月、木造校舎だった同校が新校舎になった記念に埋められた。当時の1~6年生児童と教員が30年後に掘り起こす想定で、将来の自分へのメッセージなどを詰めていた。2020年に掘る予定だったが、新型コロナの影響で延期に。改めて実行委員会を立ち上げ5年越しの開封となった。

 2月17日に重機で校庭を掘り起こし、土の中から四つのプラスチックケースを発掘した。しかし、いずれも木の根や泥が入り込み、ケースの中身は水浸し。作文など紙類が全く読めない状態だった学年もあった。

 土を落として、1週間乾燥させ、24日に返却イベントが行われた。当事者らが同校体育館に集まり、取り出された作文や寄せ書きを懐かしそうに眺め、思い出話に花を咲かせた。

 当時5年生だった男性(44)は作文の中に「カプセルを開けるときはまたみんなで集まりたい」と書いていた。「作文で書いた野球選手になる夢はかなっていないけど、当時過ごした友達とこうやって再会できたのが何よりうれしい」と顔をほころばせた。タイムカプセルは8月末まで、同校隣の報恩寺で保管される。

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