大阪で5年ぶり、琴ノ若らの「うめきた場所」に3000人が熱狂

相撲イベント『春がキタ!うめきた場所 in グランフロント大阪 2024』が3月3日、商業施設「グランフロント大阪」(大阪市北区)で5年ぶりに開催され、約3000人の観客が力士らの取組を間近で楽しんだ。

取組前には、力士と子どもたちが一緒に相撲体操でウォーミングアップ(3月3日・大阪市内)

3月10日から始まる『大阪場所』こと『大相撲三月場所』の開幕に合わせて開催された同イベント。2017年から2019年までは毎年開催され、人気力士たちによる土俵での取組を観覧できるなど、例年約5000人が来場する人気催事だったが、2020年〜2022年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止に。

2023年は「番外編」として、実業団相撲選手との綱引きや体力測定ができる「力比べコーナー」や、元力士で解説者・舞の海秀平氏が三月場所の見どころに斬り込むトークショーなどの体験型イベントが実施されたが、会場に設けられた土俵で力士たちが取組をおこなう『うめきた場所』の復活は今回が5年ぶりとなった。

■ ちびっこ相撲や本気の取組…会場は大盛り上がり

取組の最後は、注目の大関・琴ノ若関と錦木関(3月3日・大阪市内)

メインプログラムとなる力士らによる団体戦の取組前には、力士らが相撲の禁じ手を見世物として面白おかしく紹介する「初切(しょっきり)」や、大関「琴ノ若関」をモデルにした髪結いの実演など、初心者でも楽しみながら相撲を学べるプログラムが披露された。

また、事前応募で選ばれた子どもたちと力士たちが取組をおこなう「ちびっこ相撲」では、4歳〜9歳の子どもたちが力士に向かって力いっぱい挑む姿を披露。時折、力士が子どもたちを持ち上げたり、回したり、さらには手を振ってファンサービスをしたりと、会場の笑いを誘う場面も見られた。

そして、メインプログラムとなる団体戦の取組では東西でチームに分かれ、取組を披露。力士らの迫力ある見た目はもちろんのこと、「バチン」と身体がぶつかり合う激しい音や力強い技のかけあいは、観客を圧倒。会場からは力士の名を呼ぶ声や熱いエールが送られ、盛り上がりを見せた。

■ 琴ノ若関「子どもたちの当たりも結構強くて…」

ちびっこ相撲で子どもたちと取組をする琴勝峰関(3月3日・大阪市内)

イベント終了後に囲み取材に応えた大関・琴ノ若関は、「たくさんの人に声をかけていただけて、楽しめたと思います。(ちびっこ相撲は)子どもたちの当たりも結構強くて驚きました。こういったショッピングモールでのイベントは、これまで相撲が身近じゃなかった人たちにも相撲に触れ合ってもらえるきっかけになるのではないかと思います。またそこから子どもたちが相撲をやってみたいという感情を持ってもらえるきっかけになるのではないかな」とコメント。

また10日から始まる『大相撲三月場所』については、「ここから体をもっと仕上げてやっていく気持ちでいます。大勝ちが当たり前と言われるようなところで(上を)目指してきたので、自分もここで責任感持って、緊張感持ってやっていかなければいけないと思っています。先場所の最後の悔しい気持ちもあるので、しっかりと(上を)目指してやっていくつもりです」と意気込みを話した。

取材・文・写真/野村真帆

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