馬好きの聖地かも?馬にゆかりのある神社(東北編)

古代より、馬は神様の乗り物とされてきました。さらに馬と人は密接な関係があり、祈祷や祈願の際には神様に馬を奉納していました。神社によっては神馬を飼育しているところもありますね。

今回は、東北地方で馬にゆかりのある神社をまとめました。

氣比神社(青森)

氣比(けひ)神社は、馬の守護神である蒼前神に対する信仰の拠点となっており、別名「木ノ下のお蒼前様」とも呼ばれています。

その昔、源頼朝が奥州征伐時に陸奥国を訪れた際、広々とした馬の生産地が開けているのに注目し、この地域を馬の生産地にしようと考えました。頼朝は、重臣加賀美次郎遠光の三男である南部三郎光行をこの地に派遣しました。光行は、牧場の経営を政策の中心として考え、南部駒の生産を積極的に進めました。

江戸時代になると、この地には盛岡南部最大の蕃営牧場である木崎野牧が置かれ、多くの馬が放牧されていました。

例大祭がおこなわれる7月第1土・日曜日には、毎年絵馬市が開かれます。絵馬市では、家畜安全・無病息災を願う仮絵馬や絵馬が売られます。参詣者は絵馬を購入すると、飼育する牛馬の細かい特色などを絵師に描き加えてもらった後、神社で祈祷してもらいます。絵馬は家に持ち帰り、馬屋や牛舎などに貼って牛馬の健康や多産を祈願するそうです。

また、馬はかつて輸送交通機関として利用されたことから、氣比神社は「交通安全の神様」としても信仰されています。

神 社 名氣比神社(けひじんじゃ) 住 所青森県上北郡おいらせ町上久保51-1 ア ク セ ス青い森鉄道向山駅から徒歩約20分 主 祭 神足仲彦尊(タラシナカツヒコノミコト)、仲哀天皇 例 祭7月第1土曜、日曜日## 鬼越蒼前神社(岩手)

神事チャグチャグ馬コ出発の地として知られる鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社は、古くから馬産地として知られる岩手県滝沢市鵜飼外久保にあります。

江戸時代以前は、軍馬や騎馬として使われる馬を生産していましたが、1789年頃からは農耕馬として家族同様の存在として、家で飼われるようになりました。人と馬がひとつ屋根の下で暮らす南部曲り家が造られたのはこの頃だそうです。

その昔、野良仕事の途中で急に暴れ出した馬が、滝沢の鬼古里山の峠まで駆けたところで死んでしまったそうです。村人たちはこの馬を手厚く葬り、祠を建てました。これが蒼前神社の始まりといわれています。村人たちの馬を愛する気持ちから、この地に自然に生まれたのが馬の神をまつる神社だったのですね。

蒼前神社の縁日は、旧暦5月5日の端午の節句に開かれていました。田植え前の重労働が続く時期のなか、この日だけは仕事を休み、神社の境内で1日を過ごすという風習が生まれたそうです。

昭和33年から縁日は新暦6月15日に開かれるようになりました。平成13年からは、多くの人に見てもらいたいという思いから、6月第2土曜日に開催日を変更されました。

蒼前神社の縁日は、昭和53年に「国の記録作成等の措置を構ずべき無形の民俗文化財」に選ばれました。

チャグチャグ馬コは、約100頭の馬が蒼前神社から盛岡市の八幡宮までの約14キロを行進するお祭りです。 馬のあでやかな飾り付けと多くの鈴をつけた装飾が特徴で、馬が歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音が名称の由来といわれています。

神 社 名鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)住 所岩手県滝沢市鵜飼外久保ア ク セ スJR田沢湖線大釜駅から徒歩で50分
または岩手銀河鉄道(IGR)青山駅からタクシーで15分主 祭 神 保食神例 祭チャグチャグ馬コ## 相馬中村神社(福島)

相馬中村神社は、福島県相馬市にあります。この地域は、国の重要無形民俗文化財である相馬野馬追いで有名ですが、ここ中村神社で相馬野馬追の出陣式が行われます。

神社内には2019年まで、野馬追で用いられる馬を飼育するための厩舎がありました。また、馬の彫刻が見られることでも知られており、以前は古式馬具乗馬体験もできました。

相馬中村神社の始まりは、承平年間(931~937年)と言われています。相馬氏の始祖である平将門公が、下総国猿島郡(現在の坂東市付近)に妙見社を建立したことに始まります。

相馬野馬追は3日間に渡っておこなわれます。
初日は「宵祭り」として騎馬武者による出陣式古式競馬などが催されます。
2日目は「本祭り」で、約3㎞の距離を騎馬武者が行進する「御行列」や甲冑競馬、上空に打ち上げられた神旗を騎馬武者が奪い合う神旗争奪戦が行なわれます。
3日目は、騎馬武者が裸馬を神社境内の竹矢来に追い込み、白衣姿の御小人と呼ばれる人々が素手で捕える「野馬懸」が行なわれます。捕えられた馬は神社に奉納されます。
この一連の行事が、絵馬のルーツになっていると言われています。

野馬追の起源は、平将門公が領内の下総国相馬郡小金原(現在の千葉県松戸市)に野生馬を放して軍事訓練をおこなった事に始まると言われています。1000年以上の歴史があるお祭りです。

神 社 名相馬中村神社(そうまなかむらじんじゃ)住 所福島県相馬市中村字北町140ア ク セ スJR常磐線相馬駅から徒歩20分。主 祭 神天之御中主神主 な 神 事相馬野馬追祭## まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、東北にある馬にゆかりのある神社をご紹介しました。
昔から東北地方は馬産地として有名でした。そのため、馬にゆかりの神社も数多くあるのですね。

東北地方には今回ご紹介した神社以外にも、馬にゆかりの神社があります。
機会があれば是非訪れてみてはいかがでしょうか?

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