【震災・原発事故13年】福島県民世論調査 2051年までの第1原発廃炉完了 「達成できない」78.3%

東京電力福島第1原発の「中長期ロードマップ」に明記している2051年までの廃炉完了が達成できると思うか【グラフ】

 福島民報社が福島テレビと共同で実施した福島県民世論調査(第44回)で、政府と東京電力が定める福島第1原発の廃炉工程表「中長期ロードマップ」に明記された2051年までの廃炉完了を「達成できない」「どちらかと言えば達成できない」との回答が78.3%に上った。廃炉作業の最難関とされる溶融核燃料(デブリ)取り出しの度重なる延期やトラブルが相次ぎ、県民が計画通りに廃炉作業が進むか懸念している実態が浮かんだ。

 2051年までの廃炉完了が達成できるかを尋ねた回答結果は【グラフ】の通り。「達成できない」が32.8%、「どちらかと言えば達成できない」が45.5%だった。「達成できる」は4.8%、「どちらかと言えば達成できる」は10.2%。

 東電は1月、今年度中に2号機で予定していたデブリ取り出し開始を断念。3度目の延期となり、当初計画から既に3年ほど遅れているが、東電は「今後の廃炉工程への影響はない」としている。

 水処理関連でトラブルが続く。昨年10月に多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に放射性物質を含む廃液を作業員が浴びた。先月、建屋から放射性物質を含む水が漏えいした。

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