創立50周年を記念し、小野東小学校(兵庫県小野市天神町)の児童685人が運動場から風船を飛ばしたところ、約90キロ離れた奈良県五條市や約60キロ遠い堺市で見つけたと発見者から学校に連絡が入った。風船には児童のメッセージカードを添え、小野東小のゴム印を押していた。風に乗って遠くまで運ばれた風船に児童は驚き「50周年記念について知ってもらえた」と喜んだ。(坂本 勝)
小野東小は小野小の児童数増加に伴い、1974年4月に開校した。75年に校舎やプールが、77年に体育館が完成した。卒業生は6534人に上る。
創立50周年を記念し、お祝いの会を2月25日に開いた。新校旗寄贈や50周年にまつわる発表やクイズ、卒業生の父親で彫刻家、井上直さんの講演などが体育館であった。児童が楽しみにしていた風船飛ばしは雨のために延期された。
天候が回復した同28日に風船飛ばしを実施。児童は下校前、運動場に集まった。赤、黄色、青と色とりどりの風船一つ一つにカードが添えられ、児童らは「100周年までがんばってね」「いつまでも笑顔があふれる学校に」などと記していた。
合図とともに児童の手から一斉に放たれた風船は空に舞い上がり、強風に吹かれて見えなくなった。2022年度の6年生が50周年に向けて考案した同校のキャラクター「ひがしん」も児童と風船を見送った。
翌29日午前、堺市西区の男性から「風船を見つけた」と学校に電話があった。校名のゴム印を見た男性は「孫が学校で風船飛ばしをして喜んでいたので連絡しました」と話した。五條市の男性からは「風船を飛ばしましたか」と電話があった。「落ちていた風船を見つけ、学校名を見てお知らせしました」と説明した。
昼休みに校内放送で知らされた児童は大喜びした。6年の男児(12)は「小野東小のみんなの思いが遠くまで風船を運んでくれた。50周年を6年生で迎えられてうれしい。みんなの笑顔がすてきな小野東小で卒業までの残り少ない日々を大切にしたい」と話した。