青森・階上町、アイナメのブランド確立に本腰 もっと身近に、プロがさばき方指導

アイナメをさばく参加者たち
(左上から時計回りに)アイナメの刺し身、あら汁、カルパッチョ、漬け丼

 2019年度からアイナメ(アブラメ)のブランド化を推進している青森県階上町は今後、認定基準を設定するなど本格的なブランド確立に向けて動き出す。それに先立ち2月23日、自らさばくことでおいしさを知ってもらおうと、「アブラメおさばき・お料理教室」が初めて開かれた。参加者たちはプロからさばき方を教わりながら、アイナメの特性や味について理解を深めた。

 同町や地元漁協などで構成する同町水産振興協議会とブランド化推進協議会「はしかみブランドプロジェクト CompAss(コンパス)」主催。同町ではこれまで、稚魚放流や高校生と共同での新メニュー考案、一本釣り漁体験などのブランド化推進事業を行ってきた。今後は漁業者の所得向上や観光客誘致につなげるため、漁獲時期や大きさ、締め方のブランド基準を設定し、階上沖で取れる魚体に独自の付加価値を付ける。ブランドアイナメを水揚げできる漁師も登録制にする予定。

 23日、同町の産直施設「はしかみ ハマの駅 あるでぃ~ば」で行われた催しは1組2人の計4組限定で、町内外の家族連れらが参加。講師役の階上漁協組合員の長根義則さん(74)・勝二さん(62)兄弟が「軍手を使って少し押す感じで切って」「ここは焼いて食べるとうまい」などと、自宅でも実践できるように丁寧に伝授した。

 同日用意されたのは、勝二さんが自ら一本釣りで漁獲し、神経締め、血抜き処理後、内臓を取ったアイナメ。参加者たちはさばき方に苦戦しながらも漬け丼、あら汁、カルパッチョ、刺し身の4品を作った。

 階上町と埼玉県で2拠点生活を送りながらフリーランスで働く上野莉歩(まりほ)さん(同町出身)は友人と参加。「アブラメがとても大きかった。魚を料理する経験はあまりなかったけど、2人のおかげで丁寧にできて良かった」と笑顔を見せた。

 講師を務めた義則さんは「魚をさばくのはハードルが高いと思われがちだが、今回を機に意外とできると思ったのでは。またチャレンジしてみてほしい」、勝二さんは「今回は未経験者がほとんどだと思うが、アブラメのさばき方やおいしさがもっと広まればうれしい」とそれぞれ語った。

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