米副大統領、ガザ市民は「飢えている」 援助拡大のためイスラエルに対応求める

アメリカのカマラ・ハリス副大統領は3日、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザ地区で人々が「飢えている」とし、イスラエル側に同地区への「援助の流入を大幅に増やす」よう求めた。

ハリス副大統領はアラバマ州でのイベントで、「少なくとも今後6週間の休戦を即時にしなければならない」、そうすれば「(イスラエル人)人質を解放させられる」と述べ、次のように続けた。

「私たちが毎日ガザ地区で目にしているのは破壊的な状況だ。草や家畜の飼料を食べる家族や、ほとんどあるいは全く医療支援を受けられずに栄養失調の赤ちゃんを産む女性、栄養失調や脱水症状で死んでいく子供たちがいる」

「何度も言ってきたように、罪のないパレスチナ人があまりにも多く殺されている」

ハリス氏はさらに、「私たちは共通する思いやりの心があり、行動せずにはいられない」とし、「支援を必要としている罪のないパレスチナ人に、より多くの救命支援を緊急に提供する」というジョー・バイデン大統領のコミットメントに繰り返し言及した。

休戦交渉は

エジプトではこの日、休戦交渉が行われたが、イスラエルは出席しなかった。イスラエルは、ハマスが生存している人質のリストを提示していないとしている。

ハマスはBBCに対し、イスラエルの空爆でリストを提示できなかったと語った。

ハマス高官のバセム・ナイム氏は3日放送のBBC番組「ニューズアワー」で、「実際のところ誰がまだ生きているのかを把握するのは不可能だ。イスラエルによる砲撃と封鎖が続いているからだ。人質は異なる集団と共に異なる地域にいる」と述べた。

ナイム氏はまた、「我々はそのデータを収集するために休戦を要請している」とし、「いかなる前提条件も受け入れられない」と付け加えた。ナイム氏はトルコ・イスタンブールから取材に応じた。

ハマスの交渉チームと、アメリカとカタールの仲介者は、エジプトの首都カイロで休戦に向けた交渉に臨んでいるとみられる。

ハリス氏は4日にワシントンで、イスラエル戦時内閣に参加しているベニー・ガンツ前国防相と会談し、休戦やガザ地区への人道支援拡大について協議する予定。

「交渉のテーブルの上に合意がある。我々が言ってきたように、ハマスはそれに応じる必要がある。休戦を実現させよう。人質とその家族を再会させ、ガザ地区の人々を直ちに救済しよう」と、ハリス氏は訴えた。

また、「イスラエル政府は援助の流入を大幅に増やすためにもっと努力しなければならない。言い訳はできない」とした。

ハマスは昨年10月7日にイスラエル南部を奇襲し、約1200人を殺害、253人をガザ地区へ連れ去った。イスラエルは報復としてガザ地区への大規模な空爆と地上作戦を開始した。

ハマス運営のガザ保健省によると、同地区ではこれまでに2万1000人の子供と女性を含む少なくとも3万410人が殺害された。行方不明者は約7000人、負傷者は7万1700人に上るという。

(英語記事 Israel-Gaza war: Kamala Harris urges more aid for starving Gazans

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