メキシコ、大統領選挙戦スタート 与党候補が優勢

Diego Oré Adriana Barrera

[メキシコ市 1日 ロイター] - メキシコで1日、6月2日に行われる大統領選の選挙戦がスタートした。与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市市長が支持率でリードしており、初の女性大統領が誕生する可能性がある。

シェインバウム氏は、社会保障制度の拡充や財政規律維持など退任する現職のロペスオブラドール大統領が進めた政策を踏襲する方針を示している。

首都メキシコ市のソカロ広場で行った演説で「6月2日、メキシコ国民は決断を下す。変革が続くか腐敗が戻るかのどちらかしかない」と強調した。

米国の近くに生産拠点を配置する「ニアショアリング」の流れに乗ることを目指すとし、治安問題にも取り組むと表明した。

一方、野党統一候補のソチル・ガルベス元上院議員は、治安が悪化している中部サカテカス州で選挙戦をスタートさせた。

ロペスオブラドール政権の治安対策を批判し、「治安問題を上回る優先事項はない」と強調。州兵の数を倍増させ、凶悪犯罪者を収容する大規模刑務所を建設すると表明した。

シェインバウム氏はガルベス氏を支持率で20ポイントリードしている。常に60%以上の支持を得ているロペスオブラドール氏の後ろ盾もあり、同氏が優勢となっている。

今回の選挙は上下両院の国会議員、首都メキシコ市の市長と8州の知事、地方議員なども選出する。

シェインバウム氏勝利の可能性が高いことから、与党は憲法改正案を可決するために上下両院で必要な3分の2議席を獲得することに集中しているとアナリストは指摘する。

© ロイター