もりねこ、猫の命つなぎ10年 盛岡、依然残る課題は「社会全体で」

毎月譲渡会を開き、保護猫が幸せに暮らすことを願う工藤幸枝理事長

 盛岡市の認定NPO法人もりねこ(工藤幸枝理事長)は、今年で活動10年の節目を迎えた。捨て猫の保護や「里親」への譲渡などに官民で取り組み、同市での保護猫の殺処分ゼロ(安楽死除く)達成にもつながった。ただ、多頭飼育崩壊や野良猫の増加など課題は依然として残り、工藤理事長(38)は「社会全体で取り組むことが解決の糸口だ」と訴える。

 2014年1月に同市菜園に保護ねこカフェを開き、活動を始めた。16年に同法人を設立し、17年には市と協働で保護猫を預かる市民ボランティアを支援する事業を開始。治療費や餌代を支給し、命を救う受け皿を増やしてきた。

 成果は大きく、17年度から6年間、同市では殺処分ゼロを達成する。現在約40人の市民ボランティアがおり、市生活衛生課の須藤久美副主幹は「一度家庭で預かってもらうことで、人慣れして譲渡もされやすくなる」と意義を語る。

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