築200年 武家屋敷で「イングリッシュスクール」 国登録有形文化財、藩政時代しのばせる寺子屋風 鹿児島・鮫島博邸

武家屋敷で英会話を学ぶ小学生=南さつま市加世田武田

 鹿児島県南さつま市加世田武田にある国登録有形文化財の武家屋敷・鮫島博邸が、幼児から大人まで学ぶ英語学校として活用されている。鹿児島市の上川イングリッシュスクールが南さつま校として開いており、英語教育にも熱心だった薩摩藩政時代をほうふつさせる寺子屋風のたたずまい。築約200年の伝統家屋に子どもらの英会話が響いている。

 5月の創立50周年を前に上川咲男学院長(72)が企画。開校時は馬小屋の2階で授業を始めたことから原点回帰の意味を込め、畳部屋で教える環境を探した。

 南さつま市在住のスクール生との縁で武家屋敷の持ち主の鮫島博さん(85)、菊子さん(77)夫妻に相談し、快諾を得た。上川学院長が1月から週に2回通い指導している。

 授業は英会話中心。火曜夕方の小学生クラスには1~6年生10人が所属し互いに自己紹介の練習をするほか、英語圏で通じる発音や表情の大切さを学ぶ。2月に開講した火曜夜の大人クラスは8人が受講する。

 加世田小5年の切通苑珠(きりとおし・えんじゅ)君は「実践的な会話が学べ楽しい。世界中に友達をつくりたい」。万世小4年の藤田楓さんは「歴史的な建物で勉強するのは面白い。パイロットを目指しており英語を頑張る」と話した。

 上川学院長は「進取の気風あふれる薩摩藩の伝統を感じさせる雰囲気がいい。英語がしゃべれ世界で活躍する“地球人”を育てたい」と意気込んでいる。同校=099(253)8158。

〈別カット〉武家屋敷で英語の歌などを練習する小学生=南さつま市加世田武田
〈別カット〉英語学校として活用されている武家屋敷=南さつま市加世田武田

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