週末の広島カープ “開幕投手” 九里亜蓮は順調 滝田一希は雪ニモ負ケズ 黒原拓未 好投 売り出し中の髙木翔斗も躍動 オープン戦もし烈なアピール合戦

広島カープは週末、岡山・倉敷で楽天とオープン戦でした。若手野手のし烈なアピール合戦に加え、投手陣の先発ローテ争いにも注目です。

3月2日(土)オープン戦 楽天 vs. 広島(倉敷マスカット)

小雪が舞う倉敷で、カープの先発は、新井貴浩 監督から開幕投手の指名を受けている 九里亜蓮 。1回、1アウト・3塁のピンチを背負いますが、楽天の3番・辰巳涼介 をシュートで空振り三振。4番・浅村栄斗 をチェンジアップで見逃し三振。ピンチを切り抜けます。

九里は、その後も多彩な変化球で相手打線を翻ろうし、4回を投げて無失点、5つの三振を奪い、順調な調整ぶりを見せます。

4回 球数60 奪三振5 被安打1 失点0

楽天の先発は、次世代のエースとして期待される 荘司康誠 。カープは1回、新外国人レイノルズがオープン戦初ヒットでチャンスを作ります。

続く秋山の打席でエンドラン。積極的に足を使う攻撃でランナーを進めます。打席には、ここまでオープン戦ノーヒットの4番・シャイナー。しかし、打球は3塁ゴロ。まだ快音を響かせることができません。

5回、カープの先頭は、田村俊介 。し烈な外野手レギュラー争いの中、さらにアピールしたい打席でライト前ヒット。

1アウト後、打席にはこちらも外野手争いの一角・中村健人 。ところが、ここはダブルプレーに倒れ、楽天・荘司を打ち崩せません。

0ー0のまま試合は進み、5回ウラのマウンドには、カープの道産子ルーキー・滝田一希 。しかし、投球練習を始めたところで突然の吹雪に見舞われると、あっという間に一面、真っ白になり、一時中断となります。

滝田は、雪景色を懐かしみながらも中断中も気持ちを切らさず、1イニング、1安打、1奪三振、無四球。オープン戦、2試合連続無失点でアピールを続けます。

1回 球数22 奪三振1 被安打0 失点0

7回の攻撃は、秋山翔吾 がボテボテの当たりで手術の影響を感じさせない全力疾走。内野安打をもぎ取ります。

ランナー2塁となって、打席には途中出場の 堂林翔太 。チェンジアップを鋭くとらえ、レフトオーバーのタイムリー。カープから移籍したターリーから先制点を奪います。

試合は、益田武尚 が、3イニング目となる8回に突然乱れ、3失点。先発・中継ぎ両にらみで1軍を狙う益田にとっては課題の残る登板となりました。

楽天 3ー1 広島

3月3日(日)オープン戦 楽天 vs. 広島(倉敷マスカット)

この日も気温が9℃と冷え込んだ日曜日。カープの先発は、先発ローテ入りが期待されるハッチでした。日本人バッターをいろいろ学びたいと意欲的だったハッチは、楽天打線をフライアウト3つに仕留めて1回を終えます。

2回、ハッチは球数を要したもののヒットは許さず、2回、無安打、1フォアボール、無失点でマウンドを降ります。

2回 球数29 奪三振1 被安打0 与四球1 失点0

そして、この日、輝きを見せたのは、2番手の 黒原拓未 でした。4回、楽天の主軸・浅村栄斗 をチェンジアップで、続く4番・島内宏明 をストレートで2連続の見逃し三振に仕留めます。

6回には、辰己涼介 に対してタイミングをはずすピッチング。バッターもまったく合わすことができず、サードフライ。黒原は、オープン戦2試合で7イニング連続無失点と、先発ローテ入りへアピールに成功します。

4回 球数61 奪三振3 被安打2 失点0

0ー0のまま迎えた終盤、楽天マウンドには続々と広島出身の投手が登場します。7回は、広陵高校出身の 吉川雄大 。カープの打席にはオープン戦5打数2安打、3年目、売り出し中の 髙木翔斗 。ここまでキレキレだった吉川の変化球を見極め、内角の球をうまく腕をたたんでセンター前へ運びます。

続く打席は、矢野雅哉 。いい当たりでしたが、ここは惜しくもセカンド正面。無得点に終わります。

8回ウラ、カープの4番手は、昨年まで楽天でプレーしていた 内間拓馬 。古巣相手に力が入りすぎたのか、3つのフォアボールやワイルドピッチなどで失点。結果を残すことができませんでした。

2/3回 球数19 被安打1 与四球3 失点2

9回表、楽天のマウンドは、呉商業高校出身の 宮森智志 。2点を追うカープの先頭打者は、3月に入って1軍の切符をつかんだ 宇草孔基 。低めの球をうまくはじき返してセンター前ヒット。チャンスメークします。

1アウト後、久保修 。久保。強いサードへの当たりで悪送球を誘い、1塁・3塁とチャンスを拡大します。

ここで内野手争いの一角、4番・林晃汰 。寒い倉敷マスカットスタジアムのレフトスタンドからカープファンの熱い応援が後押しすると、フォークをはじき返し、タイムリーツーベース。オープン戦で13打数1安打だった林にうれしいタイムリーが生まれ、1点差に迫ります。

さらに3塁・2塁のチャンスから前の打席でヒットを打っている高木翔斗。内角にきたフォークボールをこれまた、うまく打ち、ショートの頭を越えるしぶといタイムリー。セカンドランナー・林も迷わずホームに突っ込んで逆転に成功します。

楽天 2ー3 広島

若手が躍動したカープは、劇的な逆転勝利で楽天との3連戦を終えました。

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田村友里 キャスター
若手のアピールもそうですし、ベテランも堂林選手、秋山選手をはじめいろんな方が活躍して、あらためて層が本当に厚いなって感じました。

コメンテーター レイチェル・ニコルソン さん(翻訳者)
これだけ見てるとピッチャーだけでなく、バンバンとヒットを打つ選手も兼ね備えているように見えるので、開幕戦が期待できると思います。

青山高治 キャスター
開幕投手の九里投手がよかったですね。

田村友里 キャスター
よかったです。あと、黒原投手もしっかりアピールしていましたし、先発ローテが誰になるのかっていうのが、また1つキーワードです。

青山高治 キャスター
いや、もうハッチもよかったですし…

田村友里 キャスター
もう誰になってもおかしくないですから…

青山高治 キャスター
ちょっと今、あれ、もう6人以上いるみたいな感じになりますから。

田村友里 キャスター
外野手争いも気になりますし、監督も悩んでいるんじゃないかなと思いますけど、

青山高治 キャスター
うれしい悩みでしょうね。

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