11年連続100安打でも「現役である以上 たぶんずっと不安」菊池涼介 自ら選んだ沖縄キャンプ “新井カープ2年目の変化” を天谷宗一郎さんが聞く

今シーズンも広島カープを引っ張っていってほしい 菊池涼介 選手とRCC野球解説者の 天谷宗一郎 さんの対談―。新井カープ2年目のキャンプについて語り合った。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
菊池選手、お疲れさまです。よろしくお願いします。

広島カープ 菊池涼介 選手
お疲れさまでした。はい。

天谷宗一郎 さん
もうちょっと、やる気出して(笑)。前のめりに…

菊池涼介 選手
だいじょうぶですよ。

天谷宗一郎 さん
新年1発目のインタビューに続いて約2か月ぶり。ちょっと環境は変わっていますけども、まず、きょう(2月21日)、初実戦となりましたけれども、感覚的な部分はどうですか?

菊池涼介 選手
実戦なのでピッチャーが力を入れて投げてきた球に対して(ボールの)下にいってしまったりするんじゃないかなっていう感じはあったんですけど、(練習の)本体に入っていないぶん、自分でしっかりやってきたので、そういう意味ではいいとらえ方、タイミングの取り方とかも悪くないんじゃないかなっていう感覚にはなりました。

天谷宗一郎 さん
守備の方は相変わらず、いいプレーを見せてくれてファンのみなさんも喜んでいましたけれども…

菊池涼介 選手
そのへんもノックがなかなか少ない中で(本隊と)離れて、自分でノックをたくさん受けたり、時間が空いて特守に入ったりしてきましたので、初めてきょう、打者の打ったボールを取れて、うれしいです。

天谷宗一郎 さん
沖縄に来ましたけど、これは指示なのか、自分の意思なのか?

菊池涼介 選手
意思で来ました。最初、昨年のオフに入る前ぐらいに会話があったので。『どっちでもいいよ』ということだったんですけど、ぼくが行かなければ、たぶん一番上が 堂林(翔太)選手会長になるので…

天谷宗一郎 さん
(田中)広輔も…

菊池涼介 選手
まあ、そうですね、広輔とか…。で、秋山(翔吾)さん、會澤(翼)さん、まっちゃん…

天谷宗一郎 さん
松山(竜平)“さん” ね(4学年先輩)。

菊池涼介 選手
まあ、(日南に)残るってことだったので、ぼくも沖縄にやっぱり行きたいっていうことで、自分の意思で来させてもらいました。

天谷宗一郎 さん
どうですか沖縄、いいですか?

菊池涼介 選手
暖かいところでこうやって(練習)できるので、バッティングも寒いところで打つよりかは暖かいところで打ちたいと思っていましたし、日南から移動してきて、こっちに来たときに脱水(症状)になりかけるぐらい、暑いので、そのへんはやっぱり気をつけて。その後、季節の変わり目みたいな感じの寒暖差があって、たぶん野間(峻祥)選手がいつも胃腸炎になっていたと思うんですけど、ぼくはそういうのはないので、暖かくていいところでやりたいと言いました。

天谷宗一郎 さん
了解、わかりました。午前中はチームの練習をして、内野守備や投・内連携をして、午後からは個人練習が非常に多い印象なんですけれども今、どんな練習を?

菊池涼介 選手
どうですかね。ぼく、本当に本隊、ちょろっと午前中に入って、あとはおまかせというか、メニューに入っていないので、しっかり打ち込んで、しっかり守って…

天谷宗一郎 さん
じゃあ、室内でバッティングはもちろんわかるけど、ノックとかも…

菊池涼介 選手
はい。ノックもこの間も1時間ぐらい受けていました。

天谷宗一郎 さん
まじ? そういう “原点に帰る” じゃないけど、しっかりできることをやっている状況?

菊池涼介 選手
できることをやりたいし、自分たちに任されているぶん、本隊が見えるので。外でやっているのでね。ああ、やってるなって思っていると、なんか自分もなんか足りないんじゃないかなって思ってくるので、ちょっとウズウズしてやりたくなっちゃって、きょうも 朝山(東洋)コーチに『やり過ぎちゃうか?』みたいな感じで言われて…。『年なんだから自分の体調をみて、やっていいよ』って言われたんですけど、それでもやっぱりウズウズしてくるので

天谷宗一郎 さん
若い選手を見ていると、やっぱりウズウズしてくるっていうこと?

菊池涼介 選手
それもそうなんですけど、やっぱり量が、1日、(バッティング)ローテに入れば何百スイングだってふつうにあると思いますし、ティーも含めて。その中でローテに入らないってなったら、『おれ、何スイングだったかな』とか…

天谷宗一郎 さん
それは不安ってこともある?

菊池涼介 選手
いや、不安もありますよ、もちろん。守備もそうですし、(ノックを)受けておかないと不安ですし。

天谷宗一郎 さん
11年連続で100安打を打っているわけじゃないですか。そんな選手でも不安ってあるんですか?

菊池涼介 選手
現役である以上、たぶん、ずっと不安だと思います。

天谷宗一郎 さん
秋山選手が、『休んでしまうと、若い選手にポジションを取られる不安がある』ということを言っていますけど、同じ価値観を持っているってことですか?

菊池涼介 選手
まあ、同じですし、アキさんとご飯を食べに行くと野球の話になりますよ。やはり。ぼくらの話もすれば、若い子の話にもなって、去年のキャンプでも言ったように『ちょっと練習量が足らないんじゃないかな、若い子たち』とかっていう会話になりましたし…。

ぼくらが(練習量を)やっていた時代なので、それがふつうになっちゃっているんですね、ぼくらの頭の中では。でも、練習量っていうよりかは、たぶん質とか、そういうふうに今、変わってきていると思いますし、その中でも1日、追い込んでもいいんじゃないかなって、ぼくは思ったりするところもあるので。自分はずっと長く練習をやってきた若いころがありますので、やっぱりちょっとどこかでこう、『もうちょっとやっておいたほうがいいんじゃないか』っていうふうに思います。

天谷宗一郎 さん
なるほど…。新井貴浩 監督、2年目のキャンプになりましたけども、変化みたいなものを感じたりします?

菊池涼介 選手
監督自身の変化っていうのは、そんなにないですけどね。どっちかっていうと、選手の変化の方が大きいと思います。

天谷宗一郎 さん
どういった変化?

菊池涼介 選手
現役がかぶっている選手と、かぶっていない選手と両方いる中で、あんまりズケズケといけなかったりとか、ちょっと引いていたりとかは、『あの新井さんが…』っていう選手もたぶんいたと思うんですけど。そこはやっぱり去年の1年間で『こういう人だ』と、『こういうことは楽しくやっていい』とかっていうことが、選手の方がわかってきて、また近寄りやすくなって会話も生まれているだろうし、そういうところでは監督は変わっていないけども、ぼくら側が変わっていったんじゃないかなって…

天谷宗一郎 さん
ちょっと引いていた若い選手たちが、もう一歩踏み込めるような雰囲気を作ってくれている? じゃあ、昨年よりもいい雰囲気で練習?

菊池涼介 選手
はい。だと思います。

◇ ◇ ◇

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
もう複数回、菊地選手に話を聞いているんですけど、相変わらず視野が広いなと思うんです。このインタビューをして、若い選手はすごく刺激をもらっているなって感じたんです。ちょっとことし、菊池選手、違うんじゃないかなと非常に楽しみです。

青山高治 キャスター
毎回、この対談ではなにかはっとさせる新発見がありますよね。へえっ、菊池選手、こんなことを思っていたんだって…

田村友里 キャスター
いまだに不安だっておっしゃていました。

天谷宗一郎 さん
そうなんですよね。

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