来月は入学シーズン。お子さんに「スマートフォン」の購入を検討される保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
広島県が発表したスマホの所持率では、中学生・高校生は9割以上、小学生も半数以上がスマホを利用しています。
子どもと連絡が取りやすく便利な一方で、トラブルに巻き込まれないか心配です。1日、スマホなどSNSとの付き合い方を考える親子相談会が広島市で開かれました。
親子のコミュニケーション方法について考える「親子でお茶会」です。
メディアカウンセラー 岡野耕兵さん
「うまく活用できるように大人が対応しないと、子どもたちがインターネットの海の世界に潜りこんでしまう。いい意味でも悪い意味でも」
社会教育士でメディアカウンセラーの岡野耕兵さんです。広島市電子メディア協議会に所属しSNSのマナーやトラブル回避のための講習会を開いています。
この日は親子など約20人が集まりました。参加した父親は、共働きで子どもが退屈しないようにとスマホなどで動画を見せる機会が増え、将来、依存症にならないかトラブルに巻き込まれないか不安だと話します。
父親と息子(2歳)
「(教育上)良いものを見ているのはいいが、暴力表現などを伴うものにアクセスした時に私たちだけでは全部管理ができない。子どもができるようになってしまったら怖い」
こちらの親子も・・・
母親と娘(小3)
娘「携帯没収されてた」母「よくします」娘「(1日に)14時間くらい見てたから」母「永遠と動画を見てるんですよ」
動画やゲーム、編集にチャット・・・気づけば時間が経ってしまいます。親子の会話が減りさらに課金トラブルに発展したこともあったといいます。
母親
「娘が通信で知らない人との関わりがあったりするのが怖い。子どもと友達感覚で話すようにして、今日こういう人とこんな話をしたというところまで聞くようにしている」
参加した母親
「子どもたちの方がスマホに長けてきている。先に先に進んで、私たちの方、親の方がついていけていない。(最悪の場合)危険な目にあった、だまされた、連れ去られたとかになってしまうから」
岡野さんは「子どもの意見を聞きながら一緒に家庭のルールを決めること」が大切で、さらに問題行動を指摘するだけでは足りないと話します。
メディアカウンセラー 岡野耕兵さん
「『ゲームやめなさい!』と怒られるのと『お母さんちょっと忙しくて箸並べてくれると嬉しいんだけど』と言われるのどっちがいい?」
これは「PBIS=ポジティブ行動支援」と言って、子どもにこう成長してほしいというポジティブで適切な行動を増やす考え方です。
メディアカウンセラー 岡野耕兵さん
「『あれダメこれダメ』というよりも、こういうことをしてくれたら将来的に嬉しんだよなということを積み重ねていく。それが(子どもの)自己肯定感につながっていく、ルール作りやスマホとの付き合い方を保護者に伝えたい」
コロナ禍を経て、教育現場でも当たり前となっているスマホやタブレット・・。活用の仕方を子どもたちと一緒に考えていかなくてはいけません。
【スタジオ】
子どもを評価し、一緒にルール作りをすることが大事です。
子どものスマホなどインターネットの利用時間は、3時間以上が3分の1を占め、2時間以上が半分を超えています。
一方、去年とおととし県内で確認された「児童ポルノ事犯」の被害者の割合をグラフにしたものです。3割、4割以上がSNSを起因して起こっています。中には、小学生がわいせつな動画を送るよう指示されたケースもあったそうです。
便利な一方で、怖いですね。子どもをインターネットの危険から守るシステムもあります。
◆「フィルタリング機能」違法・有害なサイトを閲覧できないよう制限するサービスです。子どもの年齢や使い方によって利用のレベル設定が可能です。
◆「ペアレンタルコントロール」保護者が、子どものスマホの利用時間やインストールしたアプリ、閲覧履歴などを確認、制限することが出来ます。
便利だからこそ安全に利用したいですね。