日経平均株価ついに4万円超え…証券会社「投資家からの問い合わせは相当多い状況」 新NISAで裾野広がりも実感

開始直後から4万円の大台に乗った日経平均株価。電話やパソコンを使って取引を続ける証券会社=4日午後、鹿児島市の九州FG証券鹿児島支店

 日経平均株価の終値が史上初めて4万円を超えた4日、鹿児島県内の証券会社や半導体関連の企業からは、最高値更新が続く展開に投資機運の高まりを感じる声が聞かれた。新NISA(少額投資非課税制度)で投資層が広がっている実感もあるという。株高の要因の一つである円安は県内観光業にも貢献している。

 九州FG証券鹿児島支店(鹿児島市)では、投資家からの問い合わせが「相当多い状況」と大坪照幸支店長。「拡充された新NISA(少額投資非課税制度)が1月から始まり、投資歴の浅い顧客も多い。裾野の広がりを感じている」と話す。

 相場をけん引する半導体関連では、東京証券取引所プライム市場に上場し、半導体製造装置部品を加工するマルマエ(出水市)が、終値で前週末比216円高(10.36%増)で今年の最高値をつけた。担当者は「在庫調整が一服し、長期的に見て生成AI(人工知能)など半導体市場への期待感が大きくなっている」と分析する。

 輸出企業の業績を押し上げている1ドル=150円前後の円安は、訪日外国人客(インバウンド)の取り込みにも寄与する。シェラトン鹿児島(鹿児島市)は、2月の外国人客の割合が2023年5月の開業後最多になった。「円安で外国人客が泊まりやすくなっている側面がある」という。

 株高の恩恵は県内経済にも波及するのか。南日本銀行(同市)の担当者は「株高は企業の設備投資や消費マインド、資産形成に好影響を与える」と期待する。鹿児島財務事務所の橋本祥也所長は「株価は景気に速効性のある指標ではないが、消費マインドがよくなれば、企業収益にも循環していくだろう」と見通す。

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