官より民…民間企業への就職で技術職採用辞退が相次ぐ 鹿児島県は土木・農業で予定数に届かず

 鹿児島県は4日、2020~22年度採用活動で、土木と農業の技術職員が当初の予定者数に届かなかったと明らかにした。県議会一般質問に答えた。民間への就職を理由にした採用辞退が出たため。職種の魅力や、働きやすい職場環境をアピールして改善を図りたい考え。

 人事課によると、土木と農業は例年採用する技術職の中でも予定者数が特に多い職種。20~22年度採用試験では、それぞれ20人前後を募集した。申込者数は3年間とも予定者数を上回ったものの、実際の採用数は1~8人届かなかった。

 山本周総務部長は答弁で両技術職の年齢構成について、50代以上の占める割合は土木が41%、農業が65%と説明。「技術職の退職者数が近年増加しており、一定数を毎年度採用する必要が生じている」と述べ、安定的な職員確保が必要との認識を示した。

 県が採用した技術職は23年度の試験実績によると土木と農業のほか、保健師や畜産など13職種。自治体の職員募集を巡っては、市町村でも技術職の採用が苦戦している。

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