買い物満喫、電動近距離乗り物「WHILL(ウィル)」導入 鳥栖プレミアム・アウトレット

簡単に操作できる電動の乗り物「WHILL」を利用しながら買い物を楽しむ人=鳥栖プレミアム・アウトレット

 鳥栖市の鳥栖プレミアム・アウトレットは、椅子に座ったまま電動で移動することができる近距離モビリティー(乗り物)「WHILL(ウィル)」を導入した。高齢者や長距離の歩行に不安を抱える買い物客に施設内を快適に過ごしてもらうための取り組みで、九州の商業施設での導入は初めて。3月1日から貸し出す。

 ウィルは、近距離に適した電動の乗り物の開発や販売を行うWHILL(本社・東京都)が手がけた。免許やヘルメットが不要で、手元にあるスティックを操作するだけで前後左右への移動が可能となっている。小回りが利き、広い施設内の店舗や飲食店を自由に巡ることができる。

 最高速度は時速6キロで、施設内では一般的な歩行速度の同4キロに制限。機能性も高く、段差は3.5センチ、傾斜は10度まで対応している。当初の設置数は2台だが、今後の貸し出し回数などをみて増台も検討するとしている。利用料金は1回当たり500円(30分未満であれば無料)。

 2月29日に報道陣向けの試乗会が開かれた。鳥栖プレミアム・アウトレットの東悦子支配人は「施設は約170店舗がそろい、店に入らなくても全体を回るには30分ほどかかる。より多くのお客さまにゆっくりと一日を過ごしてほしい」と期待する。WHILL法人レンタル事業本部の杉浦圭祐本部長は「車いすより肉体的、精神的にも疲労しにくく、誰でも簡単に操作できる。疲れを気にせず家族との買い物を楽しんでほしい」と話した。(井手一希)

免許不要で操作できる車いす型の電動乗り物「WHILL」=鳥栖プレミアム・アウトレット
WHILL法人レンタル事業本部の杉浦圭祐本部長(左)と鳥栖プレミアム・アウトレットの東悦子支配人==鳥栖プレミアム・アウトレット

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