CBDC導入の是非、国民的議論経て決まるべき=植田日銀総裁

Takahiko Wada

[東京 5日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は5日、フィンテックの最新動向を議論する都内のイベントであいさつし、個人や企業など幅広い主体が利用することを念頭に置いた中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入の是非は、国民的な議論を経て決まるべきものだと述べた。日銀として、国民的な議論に資するよう技術面や制度設計面の検討を続けていると話した。

日銀はCBDCの発行を巡って昨年からパイロット実験に取り組んでいる。植田総裁はCBDCを導入する場合、中央銀行が発行した通貨を民間金融機関を通じて届けていく「二層構造」の維持が望ましいと指摘した。その上で、デジタル社会にふさわしい決済システムの将来像を描くことも重要だと語った。

植田総裁は日本経済新聞社・金融庁共催の「FIN/SUM(フィンサム)2024」であいさつした。

(和田崇彦)

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