ベテラン中島に「代打の切り札」の期待 中日打線は生まれ変われるか

41歳のベテランは、中日にとって心強い存在だ。2024年3月3日のオープン戦・ヤクルト戦(バンテリン)で2点を追いかける8回2死満塁の好機で、途中出場の中島宏之が左前に2点同点適時打を放った。中日ファンで埋まったスタンドはこの日一番の盛り上がりを見せ、中島は一塁上でベンチに向けて笑顔でガッツポーズを見せた。

「中島は勝負所を知っている選手なので心強い」

23年シーズン限りで巨人の戦力構想から外れて退団。獲得に動いたのが、2年連続最下位に低迷した中日だった。23年シーズンの390得点はリーグワースト。一塁は中田翔が巨人から移籍し、ビシエドも日本人登録となったため、中島は「代打の切り札」で期待がかかる。昨季の代打陣の成績はリーグワーストの打率.173。勝負所で強打者が控えていないことが、接戦を落とす一因になった。

中日を取材するスポーツ紙記者は「セリーグは代打が重要な役割を占める。中島は勝負所を知っている選手なので心強い。相手バッテリーに重圧を掛けられるし、大きなプラスアルファをチームに与えられる」と期待を込める。

通算2000安打にも残り72本に迫っている。中田、ビシエドが盤石なレギュラーとは言えない。中島が代打で結果を残せば、一塁のスタメンで出場機会が増える可能性がある。上位浮上と共に、大記録達成にどこまで近づけるか注目される。(中町顕吾)

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