外苑オブジェ火災、男2人に罰金 5歳児死亡、危険「予見できた」

明治神宮外苑地区

 東京・明治神宮外苑のイベント会場で2016年、木製オブジェが燃えて幼稚園の男児=当時(5)=が死亡した火災を巡り、過失致死傷罪に問われた元大学生の男2人のやり直し公判で、東京簡裁は5日、求刑通りそれぞれに罰金50万円の判決を言い渡した。三神晴彦裁判官はオブジェ周辺に危険が及ぶことは「十分予見できた」と述べた。

 2人は現在26歳で、火災当時は日本工業大の大学生だった。2人が設置した投光器に、オブジェ内を装飾していたかんなくずが触れ、火災が発生。2人は火災を予見できなかったとして無罪を主張していた。

 三神裁判官は火災当日、2人が投光器の点灯時に熱を感じており、子どもらがオブジェの中で遊んでいるのを認識していたと認定。「かんなくずが投光器に触れないよう注視するなどの注意義務を怠った」と述べた。

 男児の両親は代理人を通じて「息子は生きていれば今年の春から中学生になっているはずでした。判決で過失が認められたことに安堵しています。事故に真摯に向き合ってくれることを望むばかりです」とのコメントを出した。

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