11年間にわたって事件現場でなどで活躍した広島県警のヒーローが、退任の日を迎えました。現場への出動は1000回以上…。数々の事件などの解決に貢献した警察犬です。
退任を迎えたのは11歳のオスのシェパード、ドン・オブ・グリーンフォレスト号です。2012年に県警直轄の警察犬としてデビューして以来、11年間行方不明者の捜索や犯罪捜査などにあたってきました。
ドンと8年半にわたって一緒に働いた中島弘道巡査部長です。
初めてドンと一緒に現場に出た日のことを、今でも覚えています。
海田警察署 中島巡査部長
「ドンが見る景色も初めてのところばっかりで、仕事をしていても不安がって振り返るような素振りが小さな頃はあった」
とても優しい性格で心配性だったというドン…。
それでも訓練や経験を重ねていくうちに成長していったといいます。
海田警察署 中島巡査部長
「ドン自身が今回の現場はこうなのだな自分で判断してやってくれるようになった。そこで信頼関係も生まれてたと感じた」
特技である足跡の匂いをたどって犯人を探す「足跡追求」を武器に、1121回出動しました。盗んだ車を放置して逃げていた犯人を山の中で見つけたり、行方の分からなくなった子どもの発見にも貢献したりしました。
優秀な成果を警察庁が讃える「犯罪鑑識官賞」など、数々の賞も受けています。
海田警察署 中島巡査部長
「気持ちが乗らない日もあったと思うが、そんな中で頑張ってくれたので“大切な相棒”としてよく頑張ったと感じる」
11歳のドンは、人間でいうと70歳から80歳…。
足腰が弱くなったことから警察犬人生に幕を降ろすことになったのです。
これからは、広島東警察署の長谷川俊之警部補の家族として、一緒に暮らすことになっています。
広島東警察署 長谷川俊之警部補
「今まで『お疲れさまでした』と、広島県警のヒーローであることは間違いないので迎えられるのは光栄なことですし、時間が許す限りいろんなところに連れて行ってあげたい」