ぽっちゃりはかわいいと思わないで!今すぐ愛犬の肥満度をチェックしよう!

肥満のリスクは、人でも犬でも同じ。病気にかかりやすくなり、健康的に生活できる「健康寿命」が短くなってしまいます。そこで、愛犬の肥満度チェックの方法と、始めやすいダイエットについて、獣医師の牛草貴博先生に聞きました。

まずは愛犬の肥満度をチェックしよう

愛犬の体型をチェックしたことはありますか? 犬の肥満の判断には、体重だけでなく体型も重要です。愛犬の体型は適切か、それとも肥満傾向なのか、今すぐチェック!

【CHECK1】飼い主さんが目で見て触れてボディチェック

●犬の肥満は体重だけで判断せず、体型もあわせて判定
同じ犬種でも、骨格や筋肉量などが異なるため、標準体重に当てはまることより、体型が重要。ボディ・コンディション・スコア(下図)を参考に、愛犬の体型をチェック。肥満体型だったらダイエットを始めましょう。

理想の体型

イラスト/オガワナホ

愛犬の体型が上記の理想体型だったら、今の体重がベストと考えていいでしょう。一般的には、避妊・去勢手術後に太らせないようにしていた場合、1才ごろの体重が適正体重だといわれています。

肥満犬の体型

イラスト/オガワナホ

【CHECK2】悩んだとき、疑わしいとき獣医師に判断してもらう

●客観的な判断も大事。愛犬の体型判断に迷ったら獣医師を頼りましょう
長毛や被毛の量が多いなどでチェックしてもよくわからなかったり、もしかしたら肥満かもと思ったりしたら、獣医師に判断してもらいましょう。飼い主さんの判断は甘くなりがちなので、ぜひ動物病院で正しく診断してもらって。

肥満体型だったら、ダイエットに取り組もう

犬のダイエットの成功の秘訣は、飼い主さんの強い意志! 家族みんなで協力して、愛犬の肥満を解消しましょう。

いちばん大事で効果もある! 毎日の食事を管理しよう

イラスト/オガワナホ

毎日のフードやおやつは、スケールできっちり量ります。1日分を容器などに取り分け、それ以上与えないように。明らかに肥満の場合は、今与えているフード量の10%を減らすのが目安です。おやつは1日のフードから得られるエネルギーの10%程度にし、おやつを与えた分はフードを減らして。

【注意!】食事が減ると異物を食べる犬も。ダイエットは獣医師と計画的に
「体重を減らすのか、これ以上増やさないようにするのかによって、食事の管理は違ってきます」と牛草先生。無理な減量により、異物を食べる犬もいるので、愛犬に合った減量法を獣医師に相談しながら行うと安心です。

ダイエット成功のコツ
・愛犬の理想の体重・体型を知る
・毎日のフードは量って見える化
・愛犬のおねだりに負けない
・家族の協力

腸内の“デブ菌”を抑える! 散歩や運動を適宜行おう

イラスト/オガワナホ

散歩などの運動は、腸内環境のバランスを整え、〝デブ菌〞を抑えるのに役立ちます。また、筋肉をつけ、太りにくくする効果も期待できます。散歩中に坂道を上ったり、芝生の広場を歩かせたりして、筋力アップの工夫を。散歩は毎日行いたいですね。
・できるだけ毎日散歩に行く
・体を動かし筋肉を落とさない
・家での遊びを増やす

【注意】太り具合によってはドクターストップがかかることも
太りすぎだったり、肥満症で関節にトラブルがあったりする場合は、散歩や運動が制限されるケースもあります。まずは、食事で体重を減らすことが最優先に。

愛犬を肥満犬にしないことが大事ですが、ダイエットが必要になったときは、獣医師に相談したり、家族の協力を得ながら取り組んでいきましょう。

お話を伺った先生/獣医師。博士(獣医学)。関内どうぶつクリニック代表 牛草貴博先生
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『肥満は思っているよりずっと怖い!』
イラスト/オガワナホ
文/伊藤亜希子

© 株式会社ベネッセコーポレーション