イセエビ、焼酎…交際費で高額贈答 屋久島町への損賠請求を棄却 鹿児島地裁「社会通念逸脱の証拠ない」

 鹿児島県屋久島町の荒木耕治町長が交際費で国会議員らに高額の贈答を繰り返したとして、192万円の損害賠償を町長に請求するよう住民が町に求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁(窪田俊秀裁判長)は5日、原告の請求を棄却した。

 窪田裁判長は、原告側の監査請求時点で会計が1年以上前の交際費による贈答について、請求は不適法として却下。会計が1年以内の贈答は「社会通念上の範囲を逸脱していると裏付ける証拠はない」として、原告側の主張を退けた。

 町は判決について「7日開会の議会で報告する」とコメント。原告の真辺真紀町議は「法的に問題ないと示されたのは残念だが、今後も無駄な公費がないよう追及する」と話した。

 訴状によると、荒木町長は2017~21年度、町長交際費で当時の国会議員や県知事らに焼酎、イセエビなどの高額な贈答を繰り返したとされる。

 住民は22年9月、贈答が社会通念上不適切などとして町に監査請求したが棄却されていた。

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