【シンガポール】大和証券グループ、日系暗号資産企業へ出資[金融]

大和証券グループは、シンガポールで暗号資産(仮想通貨)関連事業を手がけるペンギン・セキュリティーズと資本業務提携を締結した。出資額や出資比率は非公表。暗号資産関連規制が整備され、関連事業者が集まるシンガポールで事業を加速させるのが狙いだ。

ペンギン・セキュリティーズは、日本でサイバーセキュリティー事業を手がけるGMOサイバーセキュリティ by イエラエの創業者で連続起業家の倉富佑也氏、川辺健太郎最高経営経営者(CEO)などの日本人3人がシンガポールで2023年に設立。傘下に現地子会社2社を抱える。

両社は、暗号資産の委託売買業務や暗号資産デリバティブ(金融派生商品)事業などを展開する予定だ。現在はシンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)に認可を申請中だ。

大和証券グループによると、世界の暗号資産市場の時価総額は24年2月末時点で300兆円規模。24年1月には米証券取引委員会(SEC)がビットコインの現物ETF(上場投資信託)商品を承認するなど大手金融機関の市場参入も始まり、新たな金融資産としての地位を確立しつつある。富裕層や機関投資家のポートフォリオ(資産構成)に占める割合も拡大しているという。

同グループは、18年に日本でフィンテック(ITを活用した金融サービス)企業フィンターテック(Fintertech)を設立。20年から国内初の暗号資産担保ローンの提供を開始するなど暗号資産分野での新たなサービス、商品の開発に積極的に取り組んできた。

自社の金融ノウハウや富裕層事業の知見とペンギン・セキュリティーズの暗号資産の知見と技術力を生かして提案力を高め、暗号資産関連の事業を加速させていく方針。ペンギン・セキュリティーズの日本国内での展開も視野に入れている。

© 株式会社NNA