海と温かい住民に囲まれ 長野から朝日に移住の夫婦、古民家でフランス料理店

関係者を招いたプレオープンで、料理について説明する宮澤さん夫婦(後列)

 長野県御代田(みよた)町から海のある場所に憧れて富山県朝日町に移住した夫婦が、同町平柳で古民家レストランを営んでいる。服装やテーブルマナーなどを気にせず、気軽にフランス料理を味わえる雰囲気が特徴。住民同士の距離が近いことや、子育て環境の良さを実感しており、店の運営を通じて地域活性化に貢献したい考えだ。

 店を営むのは宮澤忍さん(51)と妻の絵美子さん(38)。宮澤さんは長野県松本市内のホテルで5年間、フランス料理を担当した。その後、御代田町に店を構え、夫婦で切り盛りした。同町は軽井沢町に近く、首都圏などから移り住む人が多かったこともあり住民の距離感はそれほど近くなかったという。

 海がある場所に住みたいとの思いが強かったことから富山への移住を決意。水がおいしく、海産物が豊富なことにも引かれた。

 移住先を探す中、朝日町の移住相談員が親身になって相談に乗ってくれ、2023年2月から笹川地区にある移住希望者向け住宅で生活。「住民はとても温かく、野菜をくれたりと気にかけてくれた」と振り返る。高校生と小学生の娘がおり、給食費が無償なことに加え、先生が親身になってくれるなど学校のケアが手厚いことも決め手になった。「2人とも以前に比べて友達が増えたと喜んでいる」と笑顔を見せる。

 同年12月下旬、あいの風とやま鉄道・泊駅前に「ビストロけざけざ」をオープン。「お箸とご飯で食べる気軽なフレンチ」がコンセプトで、昼は週替わりの肉料理やパスタ、夜は会食セットやコースを用意する。宮澤さんは「いろいろな人たちに協力してもらった。この地に根差し、地元の人たちに喜んでもらえる場所を目指したい」と話している。店は水曜夜と木曜定休。

落ち着いた雰囲気の「ビストロけざけざ」

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