米下院議員、中国バイトダンスにTikTok売却求める法案提出

David Shepardson Michael Martina

[ワシントン 5日 ロイター] - 米下院の超党派議員は5日、中国の字節跳動(バイトダンス)に傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の売却を求める法案を提出した。約6カ月以内に売却しない場合は米国での禁止に直面する。

中国企業が同アプリを所有することに伴う国家安全保障上の懸念に対処するため、下院中国特別委員会のマイク・ギャラガー委員長(共和党)や民主党のラジャ・クリシュナムルティ筆頭委員ら十数人の議員が共同で提出した。

エネルギー・商業委員会の公聴会で7日に審議する予定で、採決される可能性がある。

ギャラガー氏は「中国共産党と決別するか、それとも米国のユーザーへのアクセスを失うか。これがTikTokに対する私のメッセージだ」と述べた。

法案はバイトダンスに対し165日内にTikTokを売却することを求めている。売却しない場合、アップルやグーグルなどのアプリストアがTikTokを提供したり、バイトダンスが管理するアプリにウェブ・ホスティング・サービスを提供したりするのが違法になる。アプリ利用者に対する法的措置は盛り込んでいない。

国家安全保障上のリスクをもたらす恐れのあるアプリを指定する権限を大統領に与え、売却に応じない場合はサービスを制限したり禁止したりする可能性がある。

年間アクティブユーザー数が100万人を超え、外国の敵対団体の管理下にあるアプリも対象となる。

TikTokの広報担当者は法案について、同アプリを全面的に禁止するものだと反発。1億7000万人の米利用者にとって言論の自由を保障する憲法修正1条の権利を踏みにじり、500万社の中小企業が成長と雇用創出に必要としているプラットフォームを奪うことになると訴えた。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は「(法案は)重要かつ歓迎すべき一歩だ」とし、バイデン政権は同法案をさらに強化し、可能な限り強力な法的裏付けを加えるために議会と協力すると述べた。

国民の機密データや広範な国家安全保障にリスクをもたらす国内のテックサービスの脅威に対抗するため、与野党の議員と協力していると説明した。

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