【競馬場へ出掛けてみよう】行けばわかる競馬の魅力

あなたは競馬場へ行ったことがありますか?
「馬は好き。でも、競馬場には行ったことがない。」という方も多いかもしれませんね。

私も初めて競馬場に行くまでは、競馬の魅力を知りませんでした。

この記事では、競馬場に行って初めてわかった競馬の魅力についてご紹介します。

鍛え上げられた競走馬、その晴れ姿の美しさ

馬たちはみんな魅力的。のんびりと放牧されている姿も、たてがみや尻尾をなびかせながら運動している姿も、思わずうっとりと見つめてしまいますよね。
そんな馬たちの中でも、レース当日のサラブレッドには独特の美しさがあります。競走馬たちに会いに、競馬場に出掛けてみましょう。

競馬場に行ったら、まずパドックを訪れてください。
パドックとはレース前に出走馬が引き馬される場所で、お客さんは馬の状態を間近に観察することができます。
馬装を終え、これからレースに向かおうとする馬たち。
この日のためにトレーニングを重ね、鍛え上げられた筋肉が薄い皮膚の下でしなやかに動くのをはっきりと見ることができます。
念入りに手入れされたツヤツヤの被毛、サラサラの尻尾、たてがみをきれいに編み込んでいる馬も。
顔を覆うメンコや肢巻をジョッキーの勝負服に合わせてコーディネートしていたり、晴れ舞台を迎えた馬をきれいにしてあげたいという厩舎スタッフの愛情を感じます。

時間になるとジョッキーが騎乗し、本馬場へ。馬たちのボルテージは上がり、目に闘志が宿ります。

さあ、私たちもスタンドへ向かいましょう。

レースの迫力

本馬場はとても広く、スタンドの客席からコースまでは距離がありますが、大型の映像スクリーンに映し出された馬たちの姿を見ることができます。
双眼鏡を持っていけば自分が応援している馬をバッチリ見ることもできますよ。

他の場所でもレースの映像を見ることはできますが、スタンド前方、なるべくコースの近くで見るのが私はおすすめです。

前からは馬群が走り抜ける足音。何頭もの馬が襲歩で走るところは、なかなか乗馬クラブでは見ることができません。
そして後方のスタンドから湧き上がるお客さんの歓声。
これはぜひとも生で聞いてみてください。その迫力には圧倒されます。

トップスピードで駆け抜けるサラブレッドの姿は、まさに走る芸術品。
その背中に乗り、膝下だけを馬体に接触させて全身で馬を追うジョッキーたちはアスリート。どんなに練習しても自分には到底できないと強く感じます。

ギャンブル?スポーツ?どちらも楽しめる

競馬は公営ギャンブルの一つ。勝負を予想して馬券を購入し、それが的中すれば払戻金が返ってきます。

馬券を買わなくてももちろんレースを楽しむことはできますが、競馬新聞を熟読し、パドックで馬の状態を見て、自分で「これだ!」と思って買った馬券を握りしめながら見るレースは別物。
心臓はドキドキ、手に汗を握りながら応援し、最後の直線では知らないうちに馬の名前を叫んでいるかもしれません。

それと同時に、競馬は馬と人が共に競うスポーツでもあります。

レースまでトレーニングを積み、馬の心身のコンディションを整えるため、調教師をはじめとする厩舎スタッフ、時には騎乗するジョッキーも試行錯誤します。
レース中のジョッキー同士の駆け引きも見所の一つ。馬の能力を存分に発揮するため、時にはあっと周囲の意表を突くような展開を仕掛けることも。

ギャンブルのスリルと、スポーツの興奮を同時に味わうことができるのも競馬の魅力の一つです。

馬と人の心震えるドラマ

競馬が好きな方なら、きっと忘れられない馬、忘れられないレースがあるはず。
それは必ずしも強い馬や大きなレースとは限らず、それぞれの馬やレースに大切な物語があります。

サラブレッドが生まれ、牧場で大切に育てられて巣立ち、厩舎に入って競馬デビュー、そして引退。中には牧場に戻って、次の世代に物語を繋いでいく馬も。
どの場面にもたくさんの人が関わり、思いを寄せているからこそ生まれるドラマがあります。

私にとって忘れられないのは、トウカイテイオーのラストランとなった1993年の有馬記念。
「皇帝」と呼ばれた七冠馬のシンボリルドルフを父に持ち、才能に恵まれた良家のおぼっちゃまのイメージを持っていたテイオー。ひねくれ者の私は、それまで素直に応援できずにいました。

テイオーは1990年12月にデビューし、1993年12月の有馬記念までの3年間に3回の骨折と復活を繰り返します。
強い筋肉を持ち、とてもつなぎが柔らかかったのに対し、骨の強度には限界があるため、骨が金属疲労のような状態で折れてしまっていたともいわれました。おっとりとしたおぼっちゃまに見えて、実は苦労人だったんですね。

ほぼ1年間に及んだ長期休養明け、有馬記念のパドックを周回するテイオーはフワンフワンと弾むような独特の歩様で気持ち良さそうに歩いていました。
「テイオー、来るかも」と私が友人に言った時、隣にいたグループの中から「この馬、なんだっけ?休んでばっかりだから忘れちゃった」という声が。
それまで素直に応援できていなかったのに、その言葉になぜかカチンときてしまい、テイオー絡みの馬券を予定よりたくさん購入させていただきました。

ビワハヤヒデとゴール前で競り合ってテイオーが勝った瞬間や田原騎手の涙のインタビューなど、もう30年も前のことなのに一つ一つのシーンを鮮やかに思い出すことができます。

まとめ

スタートからゴールまで、1レースの長さはたった1分から2分ほど。でも、その後ろにはたくさんの物語が詰まっているのが競馬の魅力です。

競馬場ではイベントやおいしいグルメ、馬とのふれあいや体験乗馬も楽しむことができます。お天気の良い休日、近くの競馬場へ一度出掛けてみませんか?

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