デジタル技術を活用して地域課題の解決に取り組む自治体、企業などを表彰する2023年度の「デジ田(でん)甲子園」で、大雨で被災した日田市の家屋被害の認定に独自技術を活用した富士フイルムシステムサービス(東京)が民間企業・団体部門の頂点に立った。地方公共団体部門は小型無人機ドローンによる被災状況調査などをした大分県がベスト4に選ばれた。
政府が5日、発表した。富士フイルムシステムサービスは、これまで手作業だった被災者の住居把握や調査計画の立案などが自動でできるアプリを提供。被災時に自治体が発行する「罹災(りさい)証明書」の手続きの迅速化につながった。
タブレット端末に最適な調査ルートを示し、現地の被害認定時に必要な情報の入力も補助する。日田市では「過去の災害に比べて作業時間や手間が大幅に減った」(防災・危機管理課)という。
大分県は県ドローン協議会と災害時の協力協定を結び、県の災害対応支援システムで空撮映像を関係機関が共有できる仕組みが評価された。
昨年6月30日からの大雨では防災ヘリが飛行できなかったため、由布市湯布院町などで被災状況調査にドローンを活用。土砂崩れで孤立した世帯に食料品などの救援物資を空から届けた。
デジ田甲子園は政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」実現に向けた取り組みの一環。22年度に始まった。23年度は計234件の応募があり、有識者の審査や国民参加のインターネット投票を基に選考した。6日に岸田文雄首相が表彰する。