調査書の記載漏れ 佐世保市立中が公立高入試でミス 再判定で3人合格

不適切処理について謝罪する陣内教育長(左)ら=佐世保市役所

 2月に実施された公立高校入試の前期選抜について、長崎県の佐世保市教委は5日、市立中学の1校が、生徒の調査書の一部の欄を未記載にしたまま高校に提出し、合否判定に影響する重大なミスがあったと発表した。事態を重く見た県教委は異例の再判定を実施。その結果、不合格となっていた3人の生徒が合格となり、同日合格を通知した。
 市教委によると、この中学校から前期選抜を受験したのは96人。計13校を受けた。合否それぞれの人数や、未記載にした生徒の数は「6日から始まる後期選抜で子どもたちに影響を与えたくない」などとして明らかにしていない。
 調査書は担任の教諭らが作成する。未記載だった生徒は1クラスではなく、3学年全体にまたがっており、チェック役を含めた複数の教諭が関わっているという。市教委は「データ入力時のミスが原因」としている。
 未記載だったのは、生徒会活動などを判断してマル印を付ける「特別活動」と、資格やアピールポイントなどを記入する「特技」の欄。高校側が後期選抜の調査書と突き合わせた際、同じ生徒なのに内容が違うことに気づき問題が発覚した。
 市教委は生徒や保護者などからの指摘は「あっていない」としている。
 県教委は「今回の事例は受験者の責任ではない」として、再判定を実施した。同様のケースでの再判定は県内で初めてという。
 5日夜、市教委の陣内康昭教育長らが市役所で会見。「あってはならない事態。進路実現について不安感や不信感を抱かせてしまい、大変申し訳ない」と謝罪した。

© 株式会社長崎新聞社