男子ソフトのクラブチーム「あいのわ」 長崎・諫早市で発足 元日本代表が多数、成年勢引っ張る存在に

実績のある選手が集まった「あいのわ」の選手たち=雲仙市愛野運動公園

 ソフトボール男子の国際舞台や国内トップレベルで活躍してきた選手たちでつくるクラブチーム「あいのわ」(諫早市)がこのほど、発足した。3月以降、各種全国大会出場を目指して市予選に参戦する。秋の国民スポーツ大会(国スポ)成年男子の主力として期待されるチームは、2月に初の練習試合も実施。選手兼任の楠本監督は「いい雰囲気でスタートできた。まずは長崎で1番になりたい」と意気込んでいる。
 長崎県は全国的に見てソフトボールが盛んな地域。昨年は春の全国高校選抜大会で大村工高、夏のインターハイで島原工高が優勝したのをはじめ、小学、中学、高校、実年などの全国主要10大会で県勢が日本一に輝いた。
 成年男子のクラブチームも、2014年長崎国体に向けて結成された「Neo長崎」が、地元国体後も県選抜の主力として活躍。国内最高峰の日本リーグでも戦ってきたが、昨年、一定の目的を達成して解散した。
 結果、県内に実業団を含めて、日本リーグに加盟できるようなレベルのチームが消滅。全国上位で戦える大学もないため、国スポを見据えた上で、母体となれるようなチームがなくなっていた。
 「あいのわ」は高校や大学を卒業後に地元で就職した20代の若手主体チーム。選手約20人のうち、ほとんどが高校や大学時代に全国優勝を経験してきた実力者だ。選手最年長で38歳の楠本監督、選手兼任の竹森コーチのほか、大村工高、日体大卒で投手の豊本とメーンズ、佐世保西高、日体大卒で捕手の調らは、日本代表として国際舞台に立った実績がある。
 そんな人材はそろっているが、クラブを創設して全国上位を目指していくためには課題があった。最大の問題は活動費。それぞれ職種や職場が違うため、県内各地から集まって練習するだけでも経費はかさむ。ここで支援してくれたのが、諫早市の介護事業所「リハビリテーションあいのわ」だった。スポンサーとなって、昨年11月のクラブ創設に協力してくれた。選手たちは現在、平日は自主トレに励み、週末に合同練習を続けている。
 当面の目標は日本リーグの強豪も出場する全日本総合選手権や全日本クラブ選手権などへの出場と上位進出。主力は国スポ成年男子チーム入りも見込まれる。県の競技力の維持、向上には不可欠な存在となりそうだ。
 投打の中心となる主将のメーンズは「いろんな人の支えがあってプレーできることをあらためて感じている。勝ちたい気持ちと自覚を強くして、長崎のソフトボール界を引っ張っていけるように頑張る」と気合が入っている。

投打の中心で主将としてチームを引っ張るメーンズ=雲仙市愛野運動公園

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