「美食都市」に長崎・雲仙市 第1回アワード受賞 伝統野菜や食材で地域を活性化

雲仙市小浜町の素泊まり旅館「湯宿 蒸気家」の蒸し野菜(美食都市アワード事務局提供)

 長崎県雲仙市は5日、地方の食の創造性を顕彰する「美食都市アワード」に選ばれた。受賞理由は、伝統野菜などの豊かな食文化が中央のシェフを魅了して地域を活性化したため。
 美食都市研究会主催、隔月雑誌「料理王国」(JFLAホールディングス発行)共催。今年、創設した。美食都市とは、地域固有の文化と食の魅力を生かして新たな文化やビジネスを生み出し、国内外から観光客を引きつけ、価値を高めることに成功した都市を指す。食の豊かなあり方の観点から都市をたたえる賞は「日本で初めて」という。
 今年は審査委員が推薦した51都市から、雲仙市のほか金沢市(石川県)、鶴岡市(山形県)、京丹後市(京都府)、帯広市(北海道)が認定された。
 同アワード事務局によると、雲仙市吾妻町の農家、岩崎政利さんを中心に有機栽培の農家が増えて、新鮮な野菜や食材に魅了された東京や福岡の有名シェフが雲仙市にレストランを開店。国内外から観光客が訪れている。都市部に流出していた野菜が産地で消費されて輸送時の二酸化炭素(CO2)が削減され、耕作放棄地の減少も期待できるなど循環型社会を築き、地域を活性化させたと高い評価を得た。
 審査委員会は大阪公立大の橋爪紳也教授を委員長に、食と観光に精通した専門家計4人で構成。2025年からは公募で、10都市程度を認定する予定。

雲仙市に贈られるトロフィー(美食都市アワード事務局提供)

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