スイス武器輸出、昨年は27%減少 中立国法で再輸出阻害か

John Revill

[ベルン 5日 ロイター] - スイス経済省の経済事務局(SECO)は5日、昨年の同国の武器輸出が27%減少したと明らかにした。永世中立国のスイスは法律により自国製の銃器や弾薬を保有する国がウクライナに再輸出できない問題があるとの批判がある。

昨年の軍需物資輸出は6億9680万スイスフラン(7億8806万ドル)と、前年の9億5500万スイスフランから減少した。

スイスは武器供給大国で、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータによると、22年には世界14位だった。

23年にスイスが軍需物資を輸出したのは58カ国で、前年の60カ国から減少。最大の輸出先はドイツ、次いでデンマークなどとなった。

交戦地域への武器輸出を禁止するスイスの永世中立国法では、ウクライナが国際的な武力紛争に関与している限りスイス製軍需物資を移送する申請は承認できない。

SECOは昨年の武器輸出減少の理由を説明していないが、業界団体のスイスメムはこの規制が一因と指摘。

スイスメムのディレクター、ステファン・ブルップバッハー氏はデータ公表に先立ち「スイスの規制に対する懸念から受注を失った企業や、スイスへの投資縮小を検討する企業が出ている」と述べた。

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