冷凍網ノリ不作、枚数低調 佐賀県沖の有明海、3回目入札会 販売額累計は2期ぶり200億円超 

冷凍網ノリの3回目入札会で品質をチェックする商社の担当者ら=佐賀市の佐賀県有明海漁協

 佐賀県沖の有明海で養殖された冷凍網ノリの今季3回目となる入札会が5日、佐賀市の県有明海漁協で開かれた。栄養塩不足などによる不作で、販売枚数は例年より少ない1億8147万枚だった。一方、全国的な品薄から平均単価が高く、販売額は33億9520万円となって累計で2季ぶりに200億円を超えた。

 入札は秋芽ノリを含めると6回目で、大浦支所を除く14支所から2月下旬~3月初めに収穫された5、6番摘みを中心に出品された。商社は52社が参加した。

 販売枚数は、例年の同時期(約2億5千万枚)の7割ほどだった。生育に必要な栄養塩をもたらす雨が降ったものの、赤潮が続き栄養塩の回復が少なかったことや、海況悪化で一部の網の張り込みを控えたため、生産量は低調だった。今季の入札は3分の2を終え、目標枚数17億5千万枚の約49%と、半数以下にとどまっている。

 1枚当たりの平均単価は18円71銭。全国的な品薄感から高値だった昨季を約5円下回ったが、今季も同様の傾向で相場高が続くなどして、例年の同時期と比べて約5円上回っている。

 相場高を受け、販売額は累計で200億456万円と2季ぶりに200億円台を回復した。3回の入札予定を残した段階で、昨季の販売実績167億8625万円も上回った。今季の目標額は227億5千万円。

 同漁協によると、栄養塩不足による色落ちや温かい雨によるアカグサレ病で、生産につながらない全体の2~3割の網を撤去したという。深川辰已参事は「冷凍網ノリは例年10回ほど摘むが、多くが7回で網を上げるのでは」と話す。

 海況悪化で3期作に回す冷凍網ノリが例年より多くて全体の1~2割ある。3月10日前後に張り込む予定だが、深川参事は「温かい雨が続けば生産はかなり厳しい」と懸念する。(古賀真理子)

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