輪島の被災宅で空き巣 県警など、愛知の10代ら3人逮捕 指輪やウイスキー窃盗容疑

 能登半島地震で被災し留守になった輪島市内の住宅2軒から指輪などを盗んだとして、石川、愛知県警の合同捜査班は5日、住居侵入と窃盗の疑いで、名古屋市などに住む16~19歳の男女3人を逮捕した。避難中の被災者の家を狙った窃盗グループの摘発は初めて。合同捜査班は、グループが地震の混乱に乗じて窃盗する目的で愛知から石川に入ったとみて調べている。

 逮捕されたのは▽名古屋市の無職男(19)▽ブラジル国籍、愛知県岩倉市の派遣社員男(18)▽中国籍、住所不定の無職少女(16)―の3人。合同捜査班は認否や関係性を明らかにしていない。

 3人の逮捕容疑はほかの者と共謀し、1月5日、輪島市の80代男性方に侵入してブランデーとウイスキー(時価計1万5千円)を盗み、さらに別の80代女性方から指輪やウイスキーなど8点(時価計5万円)を盗み出した疑い。

 石川県警によると、1月5日、不審な車両があるとの近隣住民の通報で駆けつけた輪島署員が、現場近くで男女4人組を発見し、職務質問した。車内からブランデーやウイスキーなどが見つかり、県警は盗品とみて押収。捜査員が避難所を中心に回って所有者を探し、特定した。

 4人のうち、輪島の事件で逮捕された3人とは別のフィリピン国籍の少年(17)は、愛知県警が以前から別の強盗事件に関与したとして行方を追っており、強盗容疑で逮捕された。捜査班は、この少年も輪島の事件に関与したとみている。

 能登半島地震に便乗した窃盗事件は5日までに51件が認知され、このうち11件が摘発された。警察は避難所などに現時点で929台の防犯カメラを設置するなどして警戒を強めている。

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