TWS、日本での初単独ショーケース “最高”の予感を示したフレッシュで大きなエネルギー

HYBE傘下レーベルのPLEDIS Entertainmentから1月22日にデビューした6人組ボーイグループ・TWSが、1stミニアルバム『Sparkling Blue』の発売を記念したショーケースを都内で3月4日に開催した。

日本にて単独のショーケースでファンと彼らが対面するのは、この日が初めて。3月上旬、まだ夜は震えるような寒さを感じる気温にもかかわらず、開始を待ちわびるファンの熱気が会場の温度を高めていた。

登場前から止まない歓声に包まれて姿を現したメンバーは、「24/7 WITH US! こんばんは、TWSです!」と元気よく挨拶。緊張した面持ちも窺えつつ、大勢のファンの姿が視界に入った瞬間に溢れた笑顔は、遠くからでも確認できるほど輝いていた。「TWSのリーダー SHINYU」、「末っ子 KYUNGMIN」、「ムードメーカー DOHOON」、「かわいいHANJIN」、「皆さんのビタミン JIHOON」、「TWSのカリスマ YOUNGJAE」と順に自己紹介をしていく。自分の番がやってくると一歩前に出て挨拶する誠実さは、“PLEDIS”の系譜だろうか。司会を務めた古家正亨氏の「緊張してるでしょ?」という問いかけに、登場時には一際目を輝かせて笑顔を見せていたJIHOONは、グーの形に握りしめた両手を顔の横で左右に振って「ドキドキする!」とかわいらしい表情を見せる。メディア向けの撮影中も、カメラに手を振ったりポーズを決めたりするたびに会場は沸き、なかでもハートポーズやTWSポーズを決めた時には一際大きな歓声がこだました。

まず、デビューから1カ月が経過してどのような変化を感じるかという質問に、JIHOONは「本当にいろいろなことが変わったと思います。毎日のように新しい経験やチャレンジをするようになったし、何よりもファンの皆さんにこうしてじかに会えるようになりました」と回答。日本のステージに立ち、「とても幸せに思います」と素直な気持ちを伝えた。ロールモデルにも掲げている直属の先輩であるSEVENTEENから受けている影響について、DOHOONは「6人全員がSEVENTEEN先輩を見て、夢を抱きました。先輩方が音楽を通じてポジティブで善良なエネルギーを広げている姿を見て、とても感動しました」と、今やK-POPシーンを牽引する存在でもある13人の先輩たちの大きな背中に敬意を表明。それだけでなく、「僕たちもいい影響を与えられるグループになれるように頑張りたいと思います」と、今では夢を与える側になった自身たちの展望も示してくれた。

日本に来て楽しかった場所や行ってみたい場所はあるかというの質問には、KYUNGMINが「景色のいい場所に行って癒されたいです。お兄さんたちと一緒に繁華街に行ってショッピングもしたいし、いろいろなおいしいものも食べたいです」と末っ子の愛らしさそのままに話し、会場に集まった全員の頬を緩ませた。日本初ショーケースを迎えた心境と今後の目標を聞かれると、YOUNGJAEは「日本でもショーケースができて本当に嬉しいです。期待もしてきましたが、同時に緊張もしています。皆さんに喜んでもらえるように、たくさん練習をしてきました」と回答。緊張感のなかでもこれまで積み重ねた日々が確かな自信に繋がっていることを感じさせ、「ポジティブで明るいエネルギーを伝えられるようなグループになりたいです」「一生懸命に努力していくので、これからも沢山の関心と応援をお願いします」と意気込みを見せてくれる。

最後に投げかけられた「SEVENTEENの先輩たちからどんなアドバイスがあったか」という質問には、複数のメンバーが貴重なエピソードを語る。「先輩方はおいしいものをたくさんご馳走してくださいました。先輩方のおかげで、心も体も健康に練習することができました」(DOHOON)、「牛肉もご馳走してくださいました」(HANJIN)と、プライベートでも先輩後輩同士の仲を深めている様子を報告してくれた。SHINYUは、SEVENTEENによる手厚いサポートを振り返り、「先輩方は、たびたび練習室を訪れてくださりました。ステージやチームについて本当にいいアドバイスをくださって、とても大きな助けになりました」と感謝を滲ませる。さらに、「『いつも身体も心も健康で怪我をしないように』という言葉がいちばん記憶に残っています。『メンバーは生涯の友達だ、いっぱい喧嘩をしていっぱい話し合わなきゃいけないよ』という僕たちの骨となり肉となる言葉もいただきました」――こう語られたのは、13人という大所帯グループを長年率いてきたSEVENTEENの統括リーダー S.COUPSからTWSのリーダー SHINYUへ直々に伝えられたメッセージだ。その言葉の意味を噛み締めながら話すSHINYUの姿を見ていると、常にいちばん後ろから弟たちを見守る彼のリーダーとしての頼もしい存在感が、新人ながらすでに安定感を感じられるTWSというチームの背骨となっていることがよくわかる。

ショーケースに欠かせないパフォーマンスステージでは、1stミニアルバム『Sparkling Blue』より「plot twist」「Oh Mymy : 7s」を続けて披露。これまでも思わず目が点になってしまうほどのクオリティのステージで幾度となく驚かせてきた6人は、会場全体に鳴り響くしっかりとした打撃感あるビートを体現したような迫力とキレのよさで、会場を魅了する。“カル(칼)”=刃物のように、体を曲げる角度や指先の動きまで完璧に揃った“カル群舞”と呼ばれる一糸乱れぬダンスは練習と努力の賜物であり、彼らがまぎれもなく“PLEDIS産”であることをあらためて証明してくれた。

後半のトークセッションでは、まず「デビュー前からたくさんの関心を向けていただきありがとうございます。先輩方の素晴らしいキャリア、汗と努力のおかげで関心をいただいていると思っています。だからこそ、一生懸命努力していきたいです」とJIHOONが率直な心境を吐露。YOUNGJAEは、「『Sparkling Blue』は、みずみずしくて初々しい、清涼感をたっぷり詰め込んだアルバムです。初めて出会った時のワクワク感、自然で素直な気持ちを盛り込んだ作品になっています」と紹介した。

ミニアルバムでおすすめの曲とその理由については、SHINYU、JIHOON、KYUNGMINがタイトル曲「plot twist」、HANJINとYOUNGJAEが「Oh Mymy : 7s」、DOHOONが「BFF」とそれぞれ回答。「plot twist」を選んだJIHOONはその理由について、「皆さんの前で今までいちばん沢山パフォーマンスしてきた曲ですし、音楽番組で1位という特別な思い出を作ってくれた曲だからです。パフォーマンスする時、本当にメンバー同士のエネルギーが溢れてきます」と話した。韓国の音楽番組で4冠(3月4日時点)を獲得し、優秀な成績を叩き出したデビュー作には、今もこれからも特別な想い入れがあることだろう。

そして、話題は日本にまつわる質問へ。日本で食べてみたいものについて、「ぜひ牛肉を焼いたものを食べてみたいと思います」と答えたのは、歌でもダンスでも目を惹くオールラウンダー・マンネ(末っ子)のKYUNGMINだ。同じくオールラウンダーであるDOHOONは、「コンビニで売っているチョコパンや、以前から食べたいと思っていた油そばがとてもおいしかったです」と話し、この滞在期間で日本の味を満喫した様子を窺わせていた。

実は、上記の質疑応答に移る直前、「メンバーの皆さん、(準備は)大丈夫ですか?」との古家氏の問いかけに、YOUNGJAEが「はい、大丈夫です!」と元気よく日本語で即答する場面もあったのだが、彼はデビュー日に行われたメディアショーケースでも日本語での挨拶を行っていて、難しい表現も用いながら丁寧に話すその姿で、見る人を驚かせていたことが記憶に新しい。しかし、TWSのすごさは、彼ひとりだけではなく6人全員が流暢に会話のできる日本語レベルにあること。今回のショーケースでも、日頃の勉強の成果が十二分に発揮されていた。トーク中のさりげないやり取りから垣間見える言語力にも驚いたが、覚えたての日本語について問われた際の回答も、とてもユニークだ。

たとえば、SHINYUは日本のメディアやステージへの出演を振り返り、「挨拶します」という言葉を挙げた。「リーダーとしてグループを紹介する際に最初に言う言葉なので、覚えました」とのことだが、終盤に差し掛かったタイミングで、このショーケースが始まった時ぶりにSHINYUの口から発された「挨拶します」には、古家氏が「びっくりした、また最初から始めるのかと思った!」とツッコミを入れ、その意味を理解したメンバーもおかしそうに笑いながら柔らかな表情を見せていた。

おいしいものを食べるのが大好きなKYUNGMINは、食事をするごとに使っているという「おいしい~」を目を瞑って左手を振り、愛嬌をしながら披露。DOHOONは日本語の授業で習ったという「バタバタする」を選んだ。ほかにも、「感謝する気持ちを表現したいから」とHANJINが「ありがとうございます」を挙げたり、「大好き」(JIHOON)、自分の気持ちを相手に伝える際に使う言葉「ワクワクする」(YOUNGJAE)を覚えていたり、個性が炸裂。パフォーマンス力のみならず、日本語も今後さらに伸びていくことを予感させた。

「今日は来てくださって本当にありがとうございます。皆さんにとって、今日が楽しい時間であったことを願っています。今日来ることができなかった方も、次の機会にぜひお会いしたいです。僕たちもその時のために、また一生懸命頑張っていきたいと思います」(YOUNGJAE)

「まずはこういった大きなステージに立てることだけでも幸せですが、観客席を埋めてくださった皆さんに感謝したいです。遠くから応援してくださっている皆さんのことも、ちゃんと感じています。またお会いしたいです」(JIHOON)

「これからもたくさんの関心を寄せていただきたいです。一生懸命頑張って、いいTWSになれるよう頑張ります。愛してます!」(HANJIN)

「僕たちはいつも皆さんのことを考えながら、一生懸命に練習しています。いつも僕たちは皆さんのそばにいます」(DOHOON)

「まずは会いにきてくださったことに感謝の気持ちを伝えたいです。そして、今日のこの時間が貴重な時間になるように、最高のステージをお見せしたいと思います」(KYUNGMIN)

「今日ここに来てくださったすべての皆さんに“ありがとうございます”という言葉を伝えたいです。これからもTWSを、たくさんの関心と愛情で見守っていただけたら嬉しいです。愛してます!」(SHINYU)

それぞれがメッセージを伝え、「皆さん、もう一曲聴きたいですかー!」というメンバーの声に答えるファンとのコミュニケーションを経て、「BFF」がこの日最後のステージを飾った。特殊な形をした机を用い、大きく動いて魅せたパフォーマンスには、この日のために沢山の時間を費やして準備してきた彼らの「ファンに喜んでもらいたい」という想いがぎゅっと詰まっていたように思う。

「24/7 WITH US」=「いつもTWSとともに」というグループ名の通り、ファンと一緒にスターダムを駆け上がっていく6人の活躍から目が離せない。

(文=風間珠妃)

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