足利の新施設「リバープラザ」今秋開所へ 渡良瀬川河川敷、森高千里さんの歌碑移設は取りやめ

わたらせリバープラザの完成図

 渡良瀬川河川敷にある栃木県足利市本町緑地(栄町など)の利活用事業で、市から選定を受けた合同会社「コネクトわたらせ」は6日、飲食店などを併設する施設「わたらせリバープラザ」の起工式を行った。当初は昨年11月着工予定だったが、計画変更などで工期が遅れた。歌手森高千里(もりたかちさと)さんの名曲「渡良瀬橋」の歌碑を敷地内へ移設する計画は、取りやめる。工事は9月までで11月23日にオープンする予定。

 市は国土交通省と協議を重ね、従来地方自治体などに限られていた河川敷の占有を民間に認める「河川空間のオープン化」制度を県内で初めて適用。施設整備と運営を担う事業者を公募し、「関綜エンジニアリング」(南町)「大協建設」(東砂原後町)「アスリード」(宇都宮市)で構成する合同会社を選定した。

 事業地は国が造成した堤防上の約2940平方メートル。契約期間は20年で、使用料として市に年間約292万円を支払う。当初は4月の営業開始を目指していたが、計画内容の見直しなどに伴い予定を変更した。

 整備する施設は平屋で延べ床面積は883平方メートル。新たな計画には、子どもたちに市内企業の職業を体験してもらうゾーン「ヒラメキKids」の設置が盛り込まれた。

 ほかにも地元産食材を使ったハンバーガー店や産直市場、キッズスペースなどを併設し、サイクリストの休憩スペースも設ける。歌碑移設は、反対意見が寄せられたことなどを受けて中止にし、ドライブスルーも取りやめた。

 起工式には国土交通省渡良瀬川河川事務所や市、合同会社の関係者ら約50人が出席し、工事の安全を祈願した。関綜エンジニアリングの高橋孝明(たかはしたかあき)社長は「地域に根ざし、多くの人が集える拠点にしたい」と意気込みを語った。

わたらせリバープラザの完成図
起工式でくわ入れを行う関係者

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