オール氷見で復興 市議会開会、林市長が決意

市議会本会議で提出議案を説明する林市長=氷見市役所

 氷見市議会3月定例会は6日開会し、林正之市長は提出議案説明で「地域の絆を守り、震災で被った困難に立ち向かっていくため、オール氷見で心を一つに取り組んでいくことが重要だ」と能登半島地震からの復興に強い決意を示した。

 林市長は3日時点の住宅被害が全壊163件、半壊362件、一部損壊が3888件に及び、罹災証明申請も6216件に上るなど、被害の大きさを指摘した。被災者に寄り添い、生活再建や事業活動の支援を進める考えを強調。2024年度を「復興元年」と位置付け、活気とにぎわいあるまちづくりに意欲をみせた。

 林市長は富山県内外の自治体や団体、ボランティアの支援に感謝。応急対策がおおむね終了したことから、災害対策本部を被災者支援・復旧復興本部に切り替えて、被災者の生活再建や公共インフラ施設の本復旧に向けて全力で取り組んでいると説明した。本会議では冒頭、震災の犠牲者に黙祷を捧げた。

 会期を19日までの14日間と決め、能登半島地震対策の22事業に46億3842万円を計上した新年度予算案など31議案を上程した。

  ●〈記者席〉議場で声詰まらす

 議案説明した林市長は地震直後に発生した広域断水に触れたところで声を詰まらせた。全域の復旧に3週間かかり、市民に不便と苦労をかけたことを思い出し、申し訳ない気持ちがこみ上げたという。

 その後も言葉が詰まりかけた場面はあったものの、林市長は気持ちを落ち着かせて原稿を読み切った。市議や傍聴席の市民には、震災対応の全責任を背負うトップのつらさが伝わったよう。(み)

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