水橋・速星駅周辺を市街化区域に 富山市が県に要望、宅地・商業開発検討へ

 富山市は、あいの風とやま鉄道の水橋駅と、JR高山線の速星駅の周辺で住居系の土地利用を図る「市街化区域」を拡大させ、大規模な宅地や商業施設の開発を呼び込む計画を検討している。関連の都市計画の見直しを進める県に対し、土地の利用区分の変更を要望しており、該当エリアは水橋駅の周辺が約10ヘクタール、速星駅の周辺は約4ヘクタールに相当する。6日の市議会本会議で説明した。

 市は水橋駅と速星駅の周辺で、現在は「市街化調整区域」として開発が制限されているエリアについて、「市街化区域」に編入したい考え。水橋地区では、駅近くの水橋高校跡地で7小中学校の統合による義務教育学校の整備が進む。

 都市計画課によると、住宅デベロッパーなどへの事前のニーズ調査も踏まえ、開発の余地があるとしてエリアを判断した。県が「富山高岡広域都市計画区域マスタープラン」の改定作業を進めており、区域に含まれる高岡、射水両市の要望も踏まえ、最終判断する。

 富山市は2024年度、両駅周辺の住民へのヒアリングや駅利用者へのアンケート調査を通じ、課題やニーズを調べる。

 前回の16年の同プラン改定時には、東富山駅と呉羽駅の周辺を市街化区域に編入した。東富山駅周辺では約200区画の住宅地が整備され、駅の半径500メートル以内の人口は編入前の1.6倍に増加。スーパーや生活雑貨店などが立地した。呉羽駅周辺では約80区画の住宅地ができ、商業施設などの建設が進んでいる。

 市は公共交通を「串」、公共交通で結ばれた徒歩圏を「団子」に見立てた「団子と串の都市構造」を目指している。6日の市議会では、深山隆活力都市創造部長が飯山勝彦氏(富山自民)の一般質問に対し「呉羽駅や東富山駅のような、地域の拠点となる鉄道駅周辺のまちづくりを全市的に進めることは、団子と串の形成につながる重要な取り組みとなる」と述べた。

 同課によると、国道8号や県道富山環状線へのアクセスが良い飯野新屋地区は、工業系の「市街化区域」への編入を目指す。

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