【早出し】下り山形新幹線が福島県の郡山駅で約500メートルオーバーラン  

オーバーランし、JR郡山駅ホームを通り過ぎた山形新幹線つばさ121号。車窓から線路上に積雪が確認できた(読者提供)

 6日午前7時半ごろ、福島県郡山市のJR郡山駅で、東京発新庄行きの山形新幹線つばさ121号が、ホームの停止位置を通り過ぎ、約500メートルオーバーランした。車体の制動装置の異常は確認されていないことから、JR東日本は、線路に積もった雪の影響も視野に、原因を調べている。乗客1人が体調不良となり、ダイヤは大幅に乱れ、約3万2500人に影響が出た。

 同社新幹線統括本部によると、新幹線を停止させる場合、運転士による手動のブレーキ操作に加え、速度を感知して作動させる列車自動制御装置(ATC)による制動方法があるという。運転士は適切にブレーキを操作していたとみられる。福島地方気象台によると、郡山市では5日夜から6日午前にかけて大雪注意報が出ており、水分を含んだ湿った雪が降ったという。午前7時台の気温は氷点下を下回っていた。

 この装置の不具合があった可能性や雪や凍結で線路が滑りやすい状態だったことが考えられる。「不自然な減速があった」「大きく横に揺れた」などと話している乗客もいるが、現段階で原因は特定できていない。

 つばさ121号は東北新幹線と連結せずに運行し、7両編成。当時は371人が乗っていた。乗客の話では、オーバーラン後に停車する際、衝撃で車内では転倒する人もいたという。列車は車両点検などで1時間20分ほど現場にとどまり、異常がないことを確認後、郡山駅のホームに戻った。乗客は同駅で後続のつばさ123号に乗り換えた。

 山形、東北、秋田の各新幹線は上下計30本が運休や区間運休し、計45本が最大2時間31分遅れた。

オーバーランし、JR郡山駅ホームを通過して止まった山形新幹線つばさ121号の車内(読者提供)

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