「フルーツ・ステーション」整備基本計画、策定延期 県

山形県庁(資料写真)

 県が寒河江市の県最上川ふるさと総合公園に整備を計画している県産果樹の情報発信拠点「フルーツ・ステーション」に関し、県の地主徹農林水産部長は6日、2023年度内に予定していた整備基本計画の策定を延期することを明らかにした。県内各地での拠点を設置するなどのネットワーク形成について、「市町村の理解が得られていない」との県議会での指摘を受け、方針を修正した。

 県議会2月定例会予算特別委員会で、加賀正和委員(自民)の総括質疑で地主部長が説明した。県はフルーツ・ステーションをモデル施設と位置付け、果樹生産振興や本県フルーツのブランド力強化の拠点とし、周遊観光ネットワークも形成することを目指している。23年度は各地での整備主体となる自治体や生産者などで組織する「推進プラットフォーム」を設立した。ただ各地の拠点整備に向けた取り組みは限定的で、市町村の調査検討のため県が予算化した補助金は活用されていない。

 県議会では、県のネットワーク構想の具体的な中身が市町村に理解されていないなどの批判もあった。加賀委員は改めて構想や全体像について示す必要性をただし、本年度内の計画策定は時期尚早ではないかなどと指摘。地主部長は「具体的なネットワークの在り方を検討し、来年度半ばまで策定を延期する」と答弁した。県は計画全体のスケジュールに変更はないとしている。

 県は基本計画案に構想を盛り込む方針とし、24年度はフルーツ・ステーションの設計・整備、運営事業者の公募準備など、事業費4854万円を計上。概算の設計・整備費は18億8千万円で、県負担分は8億4千万円。県が負担する維持管理費は年間7千万円を見込んでいる。

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