「教育は子どもたちの心を洗ってくれる」…難民キャンプの子どもたちに教育の機会を 元難民女性の思いとは

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、ロヒンギャ難民の子どもたちの教育環境について取り上げました。

◆ロヒンギャ難民の子どもたちの教育環境は?

ミャンマー西部を中心に暮らすイスラム教徒の少数民族で、不法移民として政府から国籍を付与されず、弾圧を受けている"ロヒンギャ”。2017年にはミャンマー国軍による虐殺、さらには村の焼き討ちなどがあり、多くのロヒンギャがバングラディッシュなど隣国に避難。多くの子どもが難民となりました。

その虐殺から数年、現在は世界からの支援が減少。資金難のため難民キャンプ内の学校施設などが閉鎖に追い込まれています。そうしたなか、ロヒンギャにルーツを持ち、現在は日本に帰化したNPO法人「Human Welfare Association」代表・長谷川瑠璃華(はせがわ・るりか)さんはロヒンギャの子どもたちを支援しています。

◆教育は子どもたちの心を洗い流す…

「子どもたちはミャンマーで受けてきたトラウマを抱えたままだった。彼らに教育を与えることによって、彼らの希望が少しずつ見えてきたというのがあって、これは続けなきゃと思った」と語る長谷川さんは、子どもたちの未来が奪われているのを看過できず、難民キャンプ内に学校を建設。400人の子どもたちに学びの場を提供しました。

学校で学ぶ子どもたちについて長谷川さんは、「『医者になりたい』という子がすごく多く、『博士になりたい』という子もいて。学校を始めたときは『いつか国に帰って仕返しをする』と言っていた子どもも多かった。今はそれがなくなって教育は子どもたちの心をこうやって洗ってくれるんだ、いい未来につながっているんだと実感した」と言います。

しかし、今年1月に難民キャンプで大火事があり学校は半壊。さらには60名以上の生徒が家を失ってしまったそう。現在、長谷川さんは学校の再建を目指しており、「ここで一度『ロヒンギャの人たち大変だったよね』でもいいので、(ロヒンギャの)子どもたちへの支援をまた思い出してもらえれば」と支援を求めます。

「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは「国に対して仕返しをしたいというところから、自分がその社会を作る一員になると考えが変わる、それは継続的に(子どもたちに)関わってきたケアの結果だと思うと、やはりそういう(教育の)場は続いてほしい」と学校の再建を切望します。

長谷川さんらは学校の再建、安定した教育の提供、教育の質の向上などを目指し、クラウドファンディングを実施。そして、「日本の学校を真似できるくらいの教育設備を作りたい。女の子たちのロールモデルになりたい」と語っています。

ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさんは、「コロナ禍もあり、その間、ロヒンギャの方々がどうしていたのか忘れてしまっていた自分もいたので、こうして思い出させてくれたことはありがたい」と感謝しつつ、改めて唯一の学びの場である長谷川さんらの学校の重要性を噛み締めていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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