ランドセル多彩、県内はや商戦 1年先見越し、“こだわり派”に対応

人気カラーのランドセル。店内で最も目立つ場所に展示し来店者の関心を引き付けている=山形市・カバンのフジタ山形十日町本店

 1年先を見越した2025年春入学向けのランドセル商戦が県内で始まっている。インターネットで情報収集し「人気の色がなくなる前に」「じっくり時間をかけて決めたい」と、2~3月中に動き出す“こだわり派”の保護者ニーズに応えるため、販売側も態勢を整えている。多様性の時代に合わせてカラーバリエーションを増やしたり、軽量化を図ったりしている。

 ランドセルは6年間使える頑丈さや軽さに加え、デザインが重視され、進化を続けている。人気の色は早くなくなる傾向があり、口コミや交流サイト(SNS)などの情報を基に、早め早めに動く保護者が増えた。2~3月に第1のピーク、ゴールデンウイークに第2、お盆に第3のピークが訪れる。

 山形市の老舗かばん店「カバンのフジタ」は、2月中旬から来春向けの予約受け付けを始めた。同市の山形十日町本店に昨年、常設のランドセル売り場を設けたことから、問い合わせも早まっている。5万円台後半~10万円台のラインアップで、黒や青、パステル系が人気。今年新たに設けたグレイッシュパープルも注目を集めそうだという。

 全モデルで背当てと肩ベルト裏に天然牛革を使っており、使うほど体になじむようになっている。物価高が続いているが、「素材や金具の早期手配に努め、価格は据え置いている」と藤田宏次社長(72)。

 本県をはじめ全国で出張店舗を設ける土屋鞄製造所(東京)は、今年は出張店舗のスタートが昨年より約3週間早いという。本県では4月6日に山形市の山形国際交流プラザで開催する。色の好みは分散傾向にあり、価格は6万5千円~19万円で、中心は8万円台。前年より軽くなっているシリーズがあるほか、人気シリーズは5月末までは完売を出さずに対応する。

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